交響楽っていう言い方は、古ぅい言い回しなのでしょうね、きっと。

シューベルトの「未完成交響楽」、これは映画でした。

ベートーヴェンの「田園交響楽」、これはベートーヴェンというよりアンドレ・ジッドの小説ですね。

でも、こういう言い方が、確実に昔はあったはずで、

同じように「新世界交響楽」という言い方をしてもよかろうと使ってみただけです。


でもって、この「新世界交響楽」、正式名称は交響曲第9番ホ短調作品95。

ただ、「新世界より」という副題も作曲者自身がつけたものといいますから、正式名称に含めてもいいのでしょう。


ところで、この「新世界より」ですが、作ったのは誰か?などと言いますと、

「何をいまさら、馬鹿言うんじゃあねえ。アントニン・ドヴォルザークに決まってんじゃねえか」

てな声が聞こえてきそうです。

作曲家 人と作品 ドヴォルジャーク
でも、まてよ!と。

最近は、ドヴォルジャークという表記もずいぶん見かけるようになったのですね。

実際、音楽の専門書をたくさん出している音楽の友社でも、こんな

タイトルで本を出しているわけです。


おそらくは、ドヴォルジャークの方がチェコ語本来の発音に近いとか

そういうことなんだろうなあと。


ずいぶん前のアメリカの大統領選で、リーガン候補、リーガン候補と

言われていた人が当選して、

「おれの名前は、レーガンだけんね!」と言ったら、

それ以降はすっかりレーガン大統領になったということがありましたけれど、

もしドヴォルザーク本人が生きていたらば、

「わしの名前は、ドヴォルジャークじゃよ」と言いたいところかも・・・。


とまあ、ここまでは言いとして(何がいいのかわかりませんが)、

こないだ演奏会で「新世界より」を聴いた のですけれど、

曲としては馴染みなものだけに、もらったプログラムの解説を読みもしなかったのですが、

いざパラパラめくってみると、「あらま?」という記事に遭遇しました。


チェコ語としては、ドヴォルザークでも、ドヴォルジャークでもなく、

ドヴォジャーク」が正しい!というのですね。


本来の綴りは、Dvorakの「r」の上に小さな☑チェック記号のようなものが付くのですけれど、

そのチェック記号付きの文字が無い時には、「rz」で置き換えるんだそうですね。

ドイツ語で「β(エス・ツェット)」という文字がありますが、

これが使えない場合に「ss」と綴り変えるようなものらしい。


ですから、「r」の上にチェック付きの文字が使えない場合の綴りは、Dvorzakとなるわけですが、

「r」と「z」をバラバラに発音するから、ドヴォルザークというような間違いが生じるということです。

ドヴォルザーク:交響曲第9番/NBC交響楽団
ということは、「新世界より」の作曲者は?

ドヴォジャーク!ということになるようです。

もともと濁音が多いなと思ってましたけれど、

さらに濁々しくなってしまった・・・


ま、改めて「新世界交響楽」を聴いて、

濁りをとりますかね。

演奏は、トスカニーニがNBC交響楽団を振った1953年の録音。

録音が古いわりには、音の具合はなかなか良好。

そして、全曲を36分55秒で駆け抜ける爽やかさ!

先日の大友さんの東響の演奏も早めでぐいぐいでしたし。

でも、もっとドラマティックに聴かせてほしいという向きには、

ケルテス指揮ウィーン・フィルの61年盤でどうぞ。