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で、パリに架かる橋の絵が印象的だったものですから、
なにか関連する本でも読んでみたいなと検索したら、
ズパリ!「パリの橋」というものが見つかったので、読んでみたのでした。
橋の話となれば、当然に下を流れる河にも絡むわけでして、
パリの橋の下を流れるのは、セーヌ河なわけです。
でもって、著者としてはここで「河」という字に一定のこだわりを見せておりました。
外国語で言うと、ひっくるめて英語ではカワはみな《リヴァー》と称されているが、フランス語では概して大きいのが《フルーヴ》で、小さいのが《リヴィエール》と区別されている。
ということで、セーヌはフルーヴだそうで、漢字を当てるにあたって、
漢字のオリジンである中国では、非常に大きなカワを「江」(長江の江)、
次いで大きなものを「河」(黄河の河)と呼んでいることから、
日本でも昔は大きいのを「河」、小さいのを「川」と慣用していたとして、
あえて、セーヌ河と言っているのだそうです。(ここまで、長々説明することもないのですが・・・)
ただ、大都会を還流するということで、東京で言えば隅田川のようなものと思ってしまうところですが、
実際セーヌは、ロワールに次いでフランスで第二の長さを誇る「河」なのだそうですよ。
四大河文明と言わずとも、大きな都市を川が流れているのは多いですよね。
ロンドンのテムズ川、ウィーンのドナウ川、ドイツの都市もライン川沿いに点々とあります。
言うまでもないのかもしれませんけれど、やはり生活には「水」が必要だということでしょう。
飲料水のみならず、洗濯や風呂にも水は必要ですから。
ところが、フランスでは「風呂に入る」というのが必ずしも長い伝統を持つものではなさそうなのですね。
体だけでなく、昔のパリの街はそれ自体も決してきれいなものでなかったことは
映画「パフューム」をご覧いただいた方なら、ピンとくるでしょうし、
また鼻にもプンとくることから、香水の発達もわかろうというものです。
一方、映画「パフューム」を思い出すついでに、
主人公が弟子入りした香水商の店の場所を思い出してみましょう。
そう、橋の上でしたよね。
今でも、フィレンツェのポンテ・ヴェッキオなどで見られるように、
かつての橋は川を渡る、交通の便を図るものであると同時に、
住まいや商店が並ぶための「新しい土地」でもあったわけです。
そうはいっても、本当の地面のようにしっかりした地盤があるわけではありませんから、
「London bridge is falling down, falling down, falling down, London bridge is falling down, My fair lady」
という歌のとおり、落っこったりしてしまいます。
増水で濁流が押し寄せることもあれば、船がぶつかることもあったでしょう。
そんなこんなの教訓から、橋には店や住居を置かないことにするわけですが、
この発想は当時としては斬新だったようです。
パリに、ポン・ヌフ(新しい橋)という名の古い橋があります。(ようやくパリの橋のはなし・・・)
何と、1607年に完成した、現存するものでパリでは最古の橋なんだそうですよ。
それが何だって、「新しい橋」なのか。
建造時から、橋の上に商店などが無いという「斬新なデザインの橋」だからだというのですね。
前々から「なんでだろ」とは思ってましたが、そういうことだとは。
ポン・ヌフ以外にも、ポン・デ・ザールやコンコルド橋、アレクサンドル三世橋にミラボー橋・・・
セーヌに架かる橋を紹介してくれているわけで、歴史に根差したもの、新たな歴史を刻むものと
なかなかに興味は深まる一方。
そして、やっぱりこういうのを読んだりすると、行きたくなっちゃいますよね、パリに。
