「コロー」展はまだ始まったばかりだし、
とても1時間では見切れないだろうと
覗いたのは東京都美術館。
閉幕の近づいてきた「芸術都市パリの100年」展。
ようやく見ることができました。
しかしながら、1時間ぽっきりというのはなかなか切ないものでした。
展示の内容次第では、あら?もう見終わっちゃった…
と、短時間で一回りしてしまうものもありますけれど、
今回の展示には、細かなコメントが付されていましたので、
閉館までの1時間一回りは厳しいところがありました。
途中から、「当館の閉館時間は・・・」というアナウンスに急かされつつ、
足早に回ったのですが、見るべきものは多々あったかなと。
最後まで辿りついたところで、残り10分。
他の人たちが出口へと向かう中、展示室を入口の方へと遡っていきました。
(時間があるときでも、いつもそんなふうに回るのですけれどね)
閉館間際とあって、入口に近づくほど人がいなくなる。
そしてたどりついた、誰もいない(係の人は手持無沙汰に座ってましたけど)最初の展示室を
独占状態でじっくり見てきたのでした。
もちろん、他の展示室も良いのですけれど、
「パリ、古きものと新しきもの-理想の都市づくり」と銘打たれた最初のコーナーには、
パリの景観を描いた素敵な作品が、さりげなく飾られていたわけです。
まずは、西洋美術館で回顧展が始まったばかりのコローの作品、
「ジェーヴル河岸から眺めたシャンジュ橋」(1830年頃)です。
コローらしい色合いですけれど、やっぱり森や野の風景の方がぴたりとくるかな・・・
そして、ジャン・テクシエの「カルーゼル橋の再建」、シャルル・ラコストの「ロワイヤル橋」もよいですが、
極めつけは、シニャック!の「ポン・デ・ザール」(1928年)です。
コローの時代からおよそ100年後、河岸の様子もずいぶん整備されたなという印象ですよね。
そんな都市整備の状況はともかくとしても、画像ではさっぱりわからなくなってしまいますが、
見どころは何と言っても、シニャックの点描画法ですね。
同じ点描でも、スーラの驚くほど細かな点の置き方と異なって、
個性が確立してからのシニャックの絵は、ある程度の粒の大きさがあって、
「点描という技法を使って、光の反射の混じり合いたる景色をリアル化できるか」というのでなく、
「作品としての絵そのもの」を楽しむことができるものに思えます。
とまあ、なんだか「橋」の絵ばかりを挙げてきましたけれど、最後にもうひとつ。
ユトリロの「コタン小路」です。
相当に有名な絵ですけれど、あらためて実物にあたると、
壁、特に白くない壁と階段の上にある樹木が見どころでしたねえ。
なんだか、1時間で回ったときと同じくらい慌ただしい雰囲気のする記事になってしまいましたけれど、
やっぱり美術館へは心身ともにゆったり感を持って臨みたいものですね。
それだけに、残念な思いの残る展覧会詣でになってしまいました。



