もう短期記憶が怪しくなってきたかなと思うときがありますね。
(と、誰に同意を求めているわけでもありませんが)
その一方で、覚えていてもおよそ役に立たないと思しきことがらが
記憶の引き出しの奥底に眠っているようです。
それが、何かの折りに引き出しをかき回してみたりしますと、
「何でこんなこと、覚えてんだろう?」と覚えていることすら(普段は)忘れていることが
掘り起こされることがあります。

そこで思い出したことが高尚な話や「おお、そうか」とひざを打つようなネタであれば、
思い出した甲斐もあるというものですが、実際には他愛もないことで・・・

職場での話。なぜそういう話に流れたのかは、最初から話に加わってなかったのでわかりませんが、
「『走れ、コータロー』で、歌から実況中継に移るとこが、実に良い!」
というような内容が聴こえてきたのですね。
 
そこで、つい反射的に「歌から実況中継に移る前に、美濃部都知事のものまねがあるんだ」
と突っ込んでしまいました。

どうも周囲がピンと来ていないようでしたので、
「えー、このたび、公営ギャンブルをどのように廃止するかという問題につきまして慎重に検討を重ねて参りました結果、本日の第4レース、本命はホタルノヒカリ、穴馬はハッと驚く大三元という結論に達したのであります。
(ここから早口)さて各馬ゲートインから一斉にスタート、第1コーナーを回ったところで本命は予想通りホタルノヒカリ…」とまあ、ひとくさりご披露申し上げました。

若い人には新鮮だったのか、「面白い!」と言っておりましたね。

しかし、まあ何で覚えてるんだかなあ・・・と思いつつ、外にタバコを吸いにいって考え始めますと
なんかその近辺の「全く思い出さなくてもいいこと」の詰まった缶詰が開いたような状態に
なってきてしまいました。

例えば、なぎらけんいちの「悲惨な戦い」の歌詞なんかが、
霧の中から目の前にふうっと現れてくるわけです。
「わたしはぁ、かぁてぇ、あのような、ひさんなぁこぉおけぇを見たことがない、あれはぁ、十年以上をも前の、国技館の話ですぅ」という、あれですね。

記憶の容量にも限りがありますよね。
もちろん脳トレをすればしわしわが増えてメモリも増設されるかもしれませんけれど、
ちょっと難しいところまで来ているかなと。
だからといって「開けなくてもいい記憶の缶詰」を後生大事に持っている必要もないんですけれど、
人間は忘れる動物であるにもかかわらず(誰か、そんなこと言いませんでしたっけ?)
忘れてよい、忘れて全く問題がないことは忘れない。うむぅ。