まる一日を過ごせる最終日、予定ではユトレヒトへ日帰り観光と思っていたのですけれど、朝起きると雨。
「どうしようかなぁ」と、うだうだして、朝食をとってからもしばし、うだうだ。
そうこうするうちに、雨が上がってしまいました。
ただ、ユトレヒトまで行って、美術館などの施設がオープンしている10時~17時の時間を
有効利用するには遅いなという頃合い。
だからといって、さらにうだうだしていると、それで時間は過ぎてしまいますので、まず外へ出たわけです。
かの有名なゴッホ美術館に行っていないわけですから、ここを目指してみたのですが、
これがまあ何と、入場待ちの長蛇の列!
そういえば、しばらく前にロンドンに行ったときも、長蛇の列を見て、ロンドン塔にも入らず、
ロンドン・アイ(テムズ川沿いの超でっかい観覧車)も諦めたことを思いだしました。
ここは、観光地なんですものね。
そこで、長い列を横に見ながら通り過ぎ、
雨もやんだのだから、どこをどう動くにしても自転車を借りようと思い立ったわけです。
貸し自転車屋まで歩く道すがら、どこに行こうか考えていたのですが、
そういえば「風車のある、オランダらしい風景」を見ていないことに気がつきました。
ガイドブックによれば、市外から12kmほど離れたところに、
ザーンセ・スカンスという町があって、そこでは複数の風車が回っているということでした。
「12kmかぁ…行ってみるかぁ」とやけにボロいくせに、6段変則が付いてる自転車を借りたとき、
「ザーンセ・スカンスまで自転車で行くのは、難しいか?」と聞いてみたところ、
PCで行き方をプリントアウトするからと言われたのはまあ良いとして
店のヒトがくれたプリントというのが、字ばっかの道案内(ちなみに英語)。
てっきり、地図みたいなものをもらえると思ったのに・・・。
それでも、(曲がるべきところを間違えて、ずいぶん逆戻りしたりもしながら)
幹線道路沿いのサイクリング・ロードに出ると、実に快適な走りとなったのでした。
ただ、自転車専用ながら、たまにオートバイが通る(合法だそうで)のが少々怖いけど。
ひたすらまっすぐなので「まだかよぉ」と思った頃に、中間地点(くらいかな)の北海運河の渡船場に到着です。
北海運河はかなり大きな船も入るらしく、めったやたらに橋が架けられないのでしょう。
車から歩行者まで、この渡し船で対岸に運んでもらいます。(ちなみに無料)
渡ったところからまたひたすらまっすぐなのですけれど、これが長い!
それに、チョコレート工場が近づいたら、そういう香りがしてくると案内書きにはあるのに
どうも牛っぽいというか農場っぽいというか、決していい臭いはしてきません。
下手をすると見落としてしまいそうな小さな看板に
「ZAANSE SCHANS」の文字を見かけたときのうれしさと言ったら!
標識にしたがって右折し、目の前の大きな橋に上っていくと、
おおおおお!風車だぁ!まわってるぅぅ!
橋を渡りきると、左手にわざとらしくも可愛らしい木組みの家々が。
風車は昔からのものを保存しているのは事実でしょうけれど、
それを使っての街おこしで「オランダふるさと村」みたいなのを作ったんでしょうね、きっと。
それでも、風車と運河と牧草地の牛、山羊、羊は本物ですから、良しとしましょう。
作りものの施設かなとは思ってもチーズの製造販売とか、
(試食のチーズが異常に旨い!)木靴の製造販売とか、
なかなか観光客ごころをくすぐるものがあって、
これはこれで面白いところかなと。
そして、ハタと気づいた「これがオランダか!」ということ。
それは、風車でも、チーズでも、木靴でもなくって、
土地のことでした。
写真のように運河の土手沿いに風車が並んでいます。
そして、近づいていくと、左の写真のように風車は
見上げる位置に立っています。
ということは、風車の裏側にある広大な牧草地
(畑かもしれないですが)は運河の水面よりも低いんですね!
これが、オランダなんですね。
運河の土手の裂け目に手を入れて、決壊を防ぎ、街を救う少年の話が思いだされます。
ほんとにおんぼろ自転車でしたので、
帰路にはすっかり股座がはれ上がる思いをさせられましたが、
何だか妙に「行った甲斐」の感じられる自転車行となりました。
ちなみに、自転車を返しに店に行ったときに気づいたことがあります。
借りるときに、盗難保険をかけるかと聞かれたのですね。
アムスの街中なら心配もするけれど、田舎への遠乗りだからと「いらない」と言ったわけです。
で、おんぼろ自転車で往復してきたのですれど、
戻しに言ったとき、同時に返しにくる人たちの自転車がピカピカなんです!
そっか!保険に入ってれば、盗られても保険で補償されるけど、
入らないとなれば無くなっても仕方がない自転車を貸してたのか!
想定されるリスクが無いので「いらない」と言ったのでしたが、新しい自転車を貸してもらえるなら保険に入ったのに・・・
そうすれば、股座がはれ上がることもなくて・・・すべては後の祭りということで。




