ゴッホ
やゴーギャン
ばかりでなく、ひと頃の欧州の画家さんたちはかなり浮世絵に入れ込んでいたようですよね。
たまたま、比較的近くで「浮世絵展」をやっていましたので、
見に行ってみたのです。
普段、あまり見ないのですけれど。
三鷹市美術ギャラリーは、さほど大きな施設ではありません。
でも、今回の出展数は多かったですねえ。
それだけに、この手の絵画をあまり見ない者にも
興味深いところはありました。
もっとも印象派の画家たちに影響を与えたであろう要素というのは、「北斎漫画」の部分展示を除いて、あまりピンとくるものではなかったのですけれど、それでもやっぱり
「Discover Japan!」(古っ!)
という気がしたものです。
ただ、美人画の数々を見ていて、
モディリアーニ の面長はアフリカン・プリミティヴばかりでなく
浮世絵の影響ありなのかな・・・などと想像はしましたけれど。
どうしても浮世絵というと、美人画であり、役者絵であるというイメージがあるのですが、
好みの問題ということがあるにしても、風景画はやっぱり見過ごせないのですね。
中でも、歌川広重と葛飾北斎は、ピカ一ではないでしょうか。
広重では、有名な連作の「東海道五拾三次」のうち、何点かの展示がありましたけれど、
雪に降り込められた蒲原(上の絵)の情感、突然の雨にたたられた様子が活き活きとした庄野の風景、
そして箱根の天嶮を描いた色遣いの妙など、どれも見事なものです。
そして、さらに上を行くと思われるのが葛飾北斎。
やはり連作の「富嶽三十六景」は、これまた超有名なだけあって素晴らしい。
高峰であるが故に山頂は晴れ渡りながら、中腹に垂れこめた暗雲からは稲光が見えています。
晴れと雨という、対比される状況が同時に併存している一瞬を切り取っているわけです。
そして、雷光のデフォルメさ加減は、江戸時代とか、浮世絵だとかいうことを超越していると思われます。
ジャポニスムといった異国情緒への憧れ的なものとはまた違った影響を、
泰西の画家たちに与えたことが偲ばれますし、
また広重の連作が点と線を結んだ題材を描きついだことに比べて、
小さく見えようが富士という霊峰を引き立たせるさまざまな場所を描くという
統一感のある企画を思いつくというだけでも、北斎の優越性が感じられるわけです。
とまあ、あれこれ褒めちぎりっぽいところはありますが、
個人的には「筆致」を楽しむといった点で洋画の方が好みだなとは思うのでありました。
でも、そんな洋画好きにとっても、面白い展示の数々であったと思うのでした。
そうそう、ちなみに一番上のチラシの絵は、黒船でやってきた異人を描いたものだそうです。
江戸の人には、アメリカ人がかように見えたのですなあ・・・


