勤め先でもご近所付き合いというのがありまして、
地元の商工会が主催して行う駅周辺の防犯パトロールに借り出されたのでした。
本来ネオンの賑やか?な辺りを巡回したりするようなのですけれど、
あいにくの雨でしたので巡回は無しになり、
傘を差さずに立っていられる駅のコンコースで一時間ほど立ちんぼしておりました。
つまりは、キャッチセールスみたいのが無いように見張り番というわけですね。
「防犯パトロール」と書かれた腕章をしていると、
これまでにはそれらしい業者との間でトラブルがあったりしたようですけれど、
相手も慣れたもので?情報が出回るのか、それらしき人物もいっこうに姿を見せず、
ぼやっと立っていると勤め帰りの人たちからこちらが胡散臭く見られたりするのでした。
まあ、いろんなところから借り出された人たちがそこここに立ってますから、
自分ひとりが晒し者ということでもないのですけれど、
やっぱり胡散臭い視線を投げかけられるのも癪に障るので、
それならいっそ威儀を正して、ビシッとして立ってみるかと思ったのですね。
シークレット・サービスが大統領専用車を守ってるみたいな風情を醸してみるかという、
ちょっとしたイタズラ心なわけです。
脚を肩幅に開いて、両手を腰の後ろに組み、背筋を伸ばして、思い切り胸を張って、あごを引く。
すると、不思議なことが起こるのですね。
ぼやっと立っていた時には、
こちらに投げかけられる視線はどちらかというと見下す感じ(こいつ、何だよ!)だったのですけれど、
姿勢を正してみると、
今度は少々伏目がちにチラッと見上げる感じ(なんだろう、この人たち・・・)になるんですねえ。
思いもかけなかったのですが、いやあ面白い変化だったなと。
一瞬にして相手の様子を見抜いてこちらの態度を決める「人間らしさ」(?)が
観察できたような気がしたのでした。