デリリウム ベルギーはビール王国とも言われています。
この点では、出かけるにあたって結構楽しみだった半面、
これまで何度か行っている職場近くの店で
「デリリウム」というベルギー・ビールを飲むたびに
「これがベルギー・ビールかぁ、甘いな」と思ってもいたのでした。

日本と言うところは、ビールに限らず、
何くれと無く何かしらのブランドのこれほど多いところは珍しいところなわけです。
その中でビールと言うと、
最近でこそ地ビールが百花繚乱の様相を呈していますけれど、
基本的には、キリン、アサヒ、サッポロ、サントリーの4大ブランドが
定着しているのですが、ベルギーではいったいどうなのでしょうか。
chimay bier

到着して初日は、
飛行機での移動が長かったこともあって、
夕食はパスして近所の食品店でチップスとCHIMAY を買ってきたのでしたが、
翌日の夕食はさすがに外で食べたのでした。

ま、一人旅ということもあって、
レストランというのもなんだなあと思ったときに、
ブラスリー(ビール居酒屋みたいな)に行こうと思ったわけです。

たまにはガイドブックのお薦めに従ってみるかと、
2日目に出向いたのはグラン・プラスのちょっと先、
(本来の建物の目的からすると妙に立派な)
証券取引所の近くにある「ファルスタッフ」というお店でした。

シェイクスピアの「ウィンザーの陽気な女房たち」の登場人物の名前(ヴェルディに同名のオペラあり)
であることにも、ちょっと気を引かれて行ってみたのでした。

Jupiler 結果的には、
何らレストランと変わるところはなったのですけれど、
ここでは2種類のビールを飲んでみました。

ひとつはjupiler という、
街なかでやたらに看板を見かける分、
日本の4大ブランドとさして変わりのないビール
と言えましょうか。
 
もうひとつは、Bon Secours というものです。
ビール通の人たちにとっては、
ひとつひとつの製法の違いとか何だとかに
思いを馳せながら飲むと、味わいもまた格別という
ことになるのでしょうけれど、
どうにもやっぱり「甘さ」のようなものが気になったりします。
それでいて、思いもかけずアルコール度数が高かったりするのが曲者だったりしますけれど。

Bon Secours で、これに合わせた料理というのが
「Carbonnades Flamandes」というもの。

オーダーの段階では何が出てくるのか、
さっぱり見当もついていなかったのですけれど、
注文を受けた係りの人が、なにやら大きく頷いたのが印象的でした。

それもそのはず?これは「牛肉の黒ビール煮込み」というものらしく、
ベルギーの名物料理のひとつだったようです。

そんなことも知らずに雰囲気で頼んだものですから、
出てきたときには「なぁんだ、ビーフシチューだったのか」
と思ったりしたのでした。
ただ、これは今回の旅行の中ではかなりまともな食事だったな
と思ったわけです。

その翌日も、やっぱりガイドブックにあったブラスリーで、
「A la becasse」というお店に行ってみました。

ビールに関しては、ランビック・ビールとやらの直営店とのことで、
ビールに関してはランビック・ブランドの2種類を堪能したのですが、
昨日の店とはうって変わって、もっぱら「飲みに来る店」だったようです。

晩飯のつもりで来ていますので、フード・メニューを見せてもらったところ、
チーズの盛り合わせみたいなつまみ類はあるなと思ったのですが、夕食になりそうなものが見当たりません。
やむなくCroque というのを見つけたので、
見たところそのアルデンヌ風とおぼしき代物をオーダーしたのですけれど、
これは結局、こぉんがり焼いたトースト(中に入っているもので、あれこれ種類が分かれるようですが)
なのでした。

確かに、こんがり焼けたパンを見れば、日本でいうところのコロッケが想像できなくもありません。
本当のパンをこんがり焼いたものが、どういう紆余曲折を経てか、
具にパン粉をまぶして揚げた類の、日本のコロッケに変貌して行ったのでしょうか。

ま、こういった想定外の出来事も、旅の一幕というわけです。
(Croque が日本のコロッケと別物とは知らなかったのは、自分くらいでしょうか・・・)

とまれ、あれこれベルギー・ビールを飲みましたけれど、やっぱり甘さが気になって、
シャキッと切れがあるビールの合間にならいいかな、と思うのでありました。