3日目は予定としては、ゲントとブルージュへ行くことにしていたのですけれど、
そもそも欲張りなプランだったですかね・・・
それに、昨日ほどではないにせよ、あまり天気が思わしくない状態でした。
早めに朝食を取って(ブレックファスト付きながら、実は昨日出遅れたら、暖かいおかずがすっかりなくなり
かけていて、補充される気配がなかったこともあって)、早めに中央駅に出向いたのですけれど、
駅までの道ではほんの少し雨が感じられたりして、
切符を買うときに迷いに迷った挙句に、結局のところはゲントだけに行くことにしたのでした。
ゲントでは、駅から街の中心が少々離れているので、
元気な若者なら歩いてもいくのでしょうけれど(元気な若者でないと言ってるようなものですね)、
普通はトラム利用なのかなと。
でも、ここはひとつ自転車で走りまわるかと思ったわけです。
幸か不幸か、ゲントに着いてみたら、ブリュッセルよりはいくらか天気がよさそうでしたので。
まず、自転車を借りるのに一苦労。
駅で借りられることは分かっていたのですけれど、
貸し出し窓口では「まずキップを買う窓口で「レンタルバイクのチケットを買え!」と言われ、
言われるままに窓口に行くとやる気のなさそうなおっさんが、クレジットカードでなくては駄目だといい、
クレジットカードを取り出すとどこをどう手続きを間違ったのか、
「ここではできない、8番へ行け」と限りなく嫌なヤツぶりを発揮してくれました。
実際8番は閉まっていたので、隣の(7だか9だか)窓口のお姉さんに「自転車を借りたい」と言って、
そのお姉さんがやおらマニュアルのようなものと首っ引きでようやく貸し自転車のチケットが買えました。
借りるまでの難儀に加えて、道がわかりにくい上に、
また石畳の道が実に何百年も経っているのか、がたがたと走りにくいことこの上ない状態でした。
そんなあれこれの末にたどり着いた聖バーフ大聖堂は実に立派な大伽藍。
(すいません、空模様のせいで全く良い写真がないので、借り物です)
ここには、かの有名なファン・アイク作の祭壇画
「神秘の仔羊」があるのですね。
(写真撮影不可だったはずなので、下の写真も借り物です。すいません)
かつてナチスに奪われて、オーストリアの山中、アルトアウスゼーというところの塩坑に隠され、
そのまま朽ち果ててしまうかも・・・というところを偶然にも発見されて戻ってきたという、
大冒険をたどった絵なわけです。
(もっともその塩坑には、ミケランジェロやフェルメール、ルーベンスなども隠されていたそうです)
日本語の音声ガイドがあるとチケット売り場に書いてありましたので、
聞いてみたら「無いので、英語ではどうか?」と。
タダなので、まあ試しにと分かったつもりで英語の音声ガイドを耳にしながら見てきました。
写真では全く分からないですが、この絵はですね、凄いですよ!実に。
このくらいの年代(15世紀くらいですかね)の宗教画はヨーロッパに来るといたるところで目にしますし、
どれもこれも、キリストの何かしらを描いているわけで、「いったい何がどう違うのだ?」と、
まあ絵画の技法に通じているわけでもありませんから、そんなふうに思ったりするんですね。
ところが、この絵には明らかに力がありますね。
色彩だとか、細かい描きこみとか、そういうディーテイルにこだわって見ればさらに感心するんでしょうけれど、
いちばん簡単に言うと「オーラを放っている」んですね。
ゲントの人たちは、「どこに持ち去られようとも、必ずここに戻ってくる」と信じているらしいです。
そんなことも「なるほど」と思えてしまう「神秘」があるようですね。
その後は、また道に迷ったりしながら、フランドル伯の城にやってきました。
(この写真は、借り物ではないですが、どうです?天気悪いでしょ。)
なんでも1180年に出来たといいますから、日本で言ったら鎌倉幕府より前ですねえ。
フランク王国が分割された後、ロタールの王国からブルゴーニュ公国に引き継がれた、
フランス、ドイツの間を縫う回廊の海の出口にあたるフランドルを
巻き込んだ領土争いなんかをじわっとかみ締めるわけですね。
城の中には、中世の武器(中世ものの映画なんかでよく見かける、
大きな剣や槍などなど)が展示されていたり、
拷問の道具やギロチンに至ってはあんまり見たいものではないのですが…。
この後、手元のガイドブックによれば、「工事のため2007年中閉鎖予定」とあったゲント美術館に
試しに足を運んでみると(ま、自転車だったから行ったようなもんですが)、
かなりきれいに改装が進んでいるようで、部分開業していました。
とまあ、このゲント美術館のお話は、また次ということで・・・。