バーバラ・エーレンライク「捨てられるホワイトカラー」 格差社会やらワーキング・プアに関する本の多いこと。
まあ、読む人がいるからなんでしょうけれどね。

以前、イギリスのワーキング・プアの実態を体当たりルポで取り上げた
ポリー・トインビーの「ハード・ワーク」を読みましたけれど、
同じようなことをアメリカでやって
「ニッケル・アンド・ダイムド」という本を書いたのが、
ーバラ・エーレンライクなのですね。

その「ニッケル・アンド・ダイムド」の続編というか、延長線上で、
一般にワーキング・プアと言われたときに思い浮かべる
ブルーカラー系の仕事ではなくて、
いわゆるホワイトカラーの人たちも(米国では)大変なことになってきている
ことに迫ったものです。

ここでも、体当たりルポは健在で、ホワイトカラーとして働いていたという履歴を前提に、
現在は定職が無く、就職先を求めているという設定に我が身を置くわけですね。
そして、就職活動を開始するわけですが・・・

まず彼女が最初に起こした行動は、
(米国において、一般的な再就職活動を行う際に取られていると思しき行動なのでしょうけれど)
「就職活動のためのコーチを探す」ということでした。
 
これが、米国にはたぁくさんいるようです。
それこそ玉石混交で、中には再就職口が見つからないから、
あるいはパートタイムジョブがわりに「コーチ」をやってるのでは?
と思えるような人もいそうな雰囲気です。

著者も「???」を感じつつも、何人かのコーチのお世話になりつつ、次には「ネットワーキング」に励みます。
要するに、自分の就職に役立つようなネットワーク作り、人脈作りなわけです。
米国の場合、この「ネットワーキング」の場というものの、たぁくさん用意されているようで、
これがまた玉石混交の感。
(コーチもネットワーキングも、あらかた石石混交といった印象ですが・・・)

そんなこんなの経験をしながら、ホワイトカラーの再就職活動の現状を知っていくにつれ、
独自に良かれと思う行動もとりながら、数ヶ月にわたって職探しが展開されるのですが、
何十という企業に履歴書を送りながら、面接にまでこぎつけるのはほんのわずか。
しかも、内定にまで至る(至りそうになる)のは、生命保険の代理店と化粧品の訪問販売だけ。

ネットワーキングの場で知り合った、他の求職者たちのその後をインタビューしたところ、
まともと思しき職を得たのは、ひとりもいなかったと言います。

現在のところ、日本にはレイオフのようなことはおよそありませんから、
雇われている側が積極的に転職を考えない限り、
再就職活動が必要になるといったことは少ないのではないかなと思われます。
これは、かなり幸せなことなのかなとも思ったりします。
が、常に自分に磨きをかけるようなことをしなくとも、
職にあぶれることはないということは楽チンに流れる傾向も出るのかも・・・と。
ま、職場職場の特性というものがあるのでしょうけれど。