そう言えば久しぶりに「タイタン」を聴こうと思い立ったわけです。
「タイタニック」からの連想で「タイタン」、
つまりはマーラーの交響曲第一番「巨人」を思い浮かべるのは、
あながち飛躍しすぎでもなかろうと・・・。
もっとも、安直な連想ではありますが。
ブルーノ・ワルター指揮、コロンビア交響楽団によるものです。
なにしろ、ワルターは、1896年にハンブルク市立歌劇場に赴任した際に
マーラーと出会って、彼の招きでウィーンに移り、
その後ウィーンの宮廷歌劇場(現在の国立歌劇場)の楽長などなどを
歴任していくことになるわけですから、
相当にマーラーとの関係が深いのですね。
そして、たまたまであるにせよ、初めて買ったマーラーのレコード(!)でもあります。
ですから、本当ならこの演奏を聴きたいところなのですけれど、残念ながらLPレコードでしか持っておらず、
現在のところ、レコード・プレーヤーが無いという状況ではいかんともしがたい。
ま、そこで、CDで持っているものを、あれこれ聴いてみたようなわけです。
まず、取り出したのはやっぱりワルター指揮。NBC響との演奏で1939年のライブです。
古い録音で、SPからの復刻なのでしょう、針による再生音が混じりますが、
さすがにワルターの艶やかさは、聴く者を惹きつけますねえ。
ただ、コロンビア響との演奏との演奏の方が、
単にステレオ録音だとかいうだけでなくて、
熟成された感があるように思われます。
曲は、マーラー最初の交響曲で
青春の息吹のようなイメージもあるのですけれど、
若々しさも大事ながら、演奏としての熟成には勝負あった!
かもしれないです。
ワルターのライブ演奏当時、この曲の、記憶に染み付いた演奏は、
トスカニーニがしごいていたNBC交響楽団ですから、
晩年ワルターのために寄せ集められた(失礼!)
コロンビア響よりも上手いように思うのですが、
次に取り出しましたのは、ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送響による1979年のライブです。
グラモフォンにマーラー交響曲全集を容れた
クーベリックですけれど、
とかくライブの凄さが噂されるクーベリックだけに、
このAUDITEレーベルのライブ・シリーズは評価が高いようです。
確かに、整然とした演奏には傾聴あたわざるものがありますが、
ビビッとくるものがどうも・・・。
クーベリックとの相性なんでしょうかねえ。
そこで、さらに次はクラウス・テンシュテット指揮の
ロンドン・フィルによる全集からの一枚。
この全集は、相当に良い出来でして、
改めて聴きましたが、「巨人」もかなりなものです。
ワルターに近い艶っぽさもありつつ、
かなり変幻自在な感もあります。
ただ、惜しむらくは最後の最後、
終わり方のそっけなさなんですよねえ・・・
そして、今日のところの最後には、バルビローリ指揮、
ハレ管弦楽団による演奏です。
EMI正規盤の、ベルリン・フィルとの9番が
歴史的名盤として名高いバルビローリですけれど、
探してみると、他にも結構マーラーの演奏が見つかります。
ただ唸りで有名なだけに、ヘッドフォンなんかで聴いていると、
「気合、入ってるなあ」と思う一方、「うざい」と思えたりも・・・。
それはそれとしても、節の歌わせ方は
(イタリア系だと思うからでしょうか?)聴き手の方も唸ります。
とまあ、こんなふうにあれこれ聴いてきましたけれど
(実は他にもあるのですが)、
とどのつまりが、ワルターのコロンビア盤には及ばないのかなと。
そうは言っても、今回聴いていない(聴けていない)のですから、
思い込みのイメージかもしれないのですけれどね。
そこで、敢えて今回聴いたものの範囲内で
のベストということであれば、テンシュテット盤かなと。
最後の最後でのあっさり感を大目にみれば、
そこに至る過程の充実は聴かせるものがあるわけです。
ということにしましたけれど、こりゃあ今さらではありますが、
レコード・プレーヤーを買ってワルター盤を聞きますかねえ。
もっとも、今のご時勢、中古のCDを買ってしまった方が安いとは思いますが・・・。




