DVD「プラダを着た悪魔」 限りある人生の中で、仕事一途に生きるかどうかは
まさに本人にとっての考え方次第ではないかと思うのですね。
ただ、傍から見て同じようにたくさん仕事をしているにしても、
本人の選択でやっているのか、
「仕事だから仕方がない」と思ってやっているかでは大違いなわけです。

人生に何かしら「自分の生きた証」を残したいとした場合、
瞬間的には「仕方がない」と思っても、
それが後のチャンスに繋がるといったふうに考えているとすれば
本人の選択と言っていいのでしょうけれど、
「ほんとにこれでいいのかな」と思うならどうでしょう。
そこら辺の「迷い」を見ながら、あれこれ思いをめぐらせるのが、
この「プラダを着た悪魔」という映画なのですね。

本編のヒロインはアン・ハサウェイですけれど、タイトル・ロールはメリル・ストリープで、
職場での上下関係ながら(大変な「上」と「下」の違いです)、
ボスにひっぱられる形で、あるところまでは二人の職業観は同じ方向に近づいていき、
全く迷いのないボスに対して、だんだんと迷い始めるヒロインという対比になって行きます。

最終的にヒロインが選び取る職業観は、ボスとの決裂ということになるわけですけれど、
良い悪いは、まさに見る人の考え方にもよるんでしょうね。

「マイアミから帰れないのは台風のせいと分かっていながら、ニューヨークに戻れるようにしろ」とか、
「出版前のハリー・ポッターの新作を、子供のためにもってこい」とかいうことを、
何の疑問のなく部下にやらせようとするボスの下で働きたくはないですけれどね、個人的には。
いかに、仕事で大成するための手段だとしても。

おそらくは仕事に邁進するという考え方もあるでしょう、きっと。
60億を超える人間がいる中で、どの程度の記憶に残りたいのか
(残らなくてもいいという選択肢も当然ありますよね)
そんな思いのようなものも、職業観には通じるところがあるのかしれませんね。

とまあ、実に大袈裟な話をしましたけれど、
映画としては単純にボスと部下の掛け合いをコメディとしてみれば良いわけです。
無理難題を持ちかけるボスが、最後の最後で「あれ、もしかしていい人?」ってなふうになってしまうのが、
少々チープな予定調和ではあります。
でも、そうしないとちと救いようがないかも・・・