例の2枚組CDのシリーズは、こんどはまたイギリスの指揮者でエイドリアン・ボールトです。
何の予備知識も無くただの印象で言うと(ビーチャムほどの金持ちではないにせよ)、
英国紳士然とした風情、佇まいには好感の持てるところではあります。


「20世紀の巨匠たち/サー・エイドリアン・ボールト」 ということで、収録曲なんですが、


CD1

  1. ベルリオーズ/序曲「ロブ・ロイ」
  2. フランク/交響曲ニ短調
  3. チャイコフスキー/組曲第3番から主題と変奏
  4. ウォルトン/「ポーツマス・ポイント」序曲

CD2

  1. ベートーヴェン/「コリオラン」序曲
  2. シューマン/交響曲第4番
  3. ウォルフ/イタリアン・セレナード
  4. シューベルト/交響曲第4番「悲劇的」
  5. シベリウス/「テンペスト」前奏曲

このセットでは、2枚目がいいですよね。

1枚目のCDがピンとこないのは、フランクのシンフォニーがメインだからかもしれません。


フランクの交響曲ニ短調は、これまでにも本当にあれやこれやの演奏を聴いていて、
良い曲だとは思うのですけれど、どうしてもぐぐっと来ない。
このボールト盤でもしかりでした。
ただ、ライナー盤の「コリオラン」や「悲劇的序曲」のように、ある日突然視界が開けることもあるのでしょう。


2枚目のあたまは、ライナー盤で開眼した「コリオラン」。
ここでのボールト指揮による演奏もまずまずと思えました。
そして実は、聴きモノはこれに続くシューマンの4番シンフォニーですね。


シューマンのオーケエストレーションは、拙いだ、なんだかだと言われながらも
なかなか「やるじゃん」と思われる演奏にめぐり合えれば、聴き応えがあると思うんですね。
このボールトのシューマンも情の深さのようなものが感じられて、
シューマンあれこれ聴いてみるかなと思うのでありました。