「主人公は僕だった 」・・・ですが、少々予告に騙されたというか、
 期待しすぎたんですね、ドタバタ・コメディだと思って・・・。
 (以下、少々ネタバレ含みです・・・)

主人公は僕だった コレクターズ・エディション [DVD]/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


 ま、ドタバタではありませんでしたけれど、ハートウォーミングな
 変身物語だったかなとは思うのでした。
 まじめで気が小さく、いつも決まった行動パターンを単調に繰り返している小役人ハロルド・クリックを、
 「プロデューサーズ」のぶっちぎれたドイツ系や「奥様は魔女」の傲慢落ち目俳優を演じた
 ウィル・フェレルがわびしさを誘う演技で実に巧くこなしていました。

 自分の行動や思いをひとつひとつ説明してくれてしまう「天からの声」?が
 あるとき、本人が知らない未来を予測するような言い回しを使ったことから
 新たな展開に向かうのですけれど、このあたりは少々アカデミック?ではありますねえ。

 エマ・トンプソン扮する、作品のエンディングに産みの苦しみを味わっている作家が
 ついにたどりついた衝撃?の結末に対して、文学の教授(ダスティン・ホフマン)が
 「最高傑作!」と太鼓判を押すのですけれど、小説としての傑作度合いは映像では
 表しようもないものですから、言葉で「傑作!」と説明するしかないわけです。

 ですから、主人公ハロルド・クリックの生涯を慮って、作家がエンディングを変えたとしても
 その最終稿が「まあまあの作品」になってしまうのも、言葉でしか説明できない。
 この辺のリアリティの無さは致し方ないところなのでしょうね…。

 もっとも、映画としてのエンディングは逆に「これしかない」というものでしょうけれど。