覗かせていただいたブログの記事で、「こんな映画があったのか?!」と、
タイトルにつられて見に行ってきました。レンブラント「夜警」
ピーター・グリーナウェイ監督というのは、
どうも曲者っぽい雰囲気があったのですが
(決して悪い意味ではありませんけれど…)、
その作品たるや、やっぱり曲者の作であったなと。

美術史に燦然と輝く画家レンブラントの最大の謎―――
なぜ、莫大な富と名声を極めた画家が、
転落の人生を歩んだのか?
謎を解く鍵は、
オランダの至宝で門外不出の名画「夜警」に隠されていた……
このようなキャッチが、映画には使われています。
「こんなにも謎に満ちた絵だったのか」と、
マスターピース・ガイドを取り出してみたのですね。
すると、「夜警」は、こんなふうに紹介されています。
キャプテンは命令を与えます。仲間全員が行動を開始します。軍旗が翻り、太鼓打ちはドラムを打ち鳴らし、衛兵は武器を手にします。幼い少女が彼らの間を歩き回ります。レンブラントは自衛市民軍の整然とした肖像を一列に描かずに、戦う男達のわくわくさせる光景を作り出しました。それまで見ることのできない類の自衛市民軍の肖像画です。世界的に有名になりました。
要するに、単なる集団肖像画ではなく、躍動感のある一瞬を捉えた画面を生み出して、
有名になったという解説です。
もちろんその後に、暗示的と思われるさまざまな要素の解説が続くのですけれど、
映画が焦点を当てたほどの、謎めいたものとは思われません。

ですから、暗示的な要素から「謎めいたもの」を抽出して、繫ぎ合わせ、
この謎めいた要素の全てに説明をつけてしまうようなストーリーを紡ぎだしたこと自体が、
見るべき点の一つ目なわけです。

そして、見るべき点の二つ目は、冒頭から一貫して「映画なのに、芝居っぽいな」という点です。
これは単に印象ではなくて、相当以上に作為的なものだったということが、最後になって分かることになります。

この2点をもって、充分に見るべき作品になっているなと思うわけですけれど、
先に曲者作品と言ったとおりに、ぼんやり見ていて「すぐおいしい」映画とはとても言えません。
また、R-15ではありますが、「高校生が見ていいの?」とも思われる随所の描写では、
眉をひそめる方もおいでかも。

ただ、いろんなところにレンブラントの絵をモティーフにした場面が現れるようですから(残念ながら、分かりませんでしたけど)、
レンブラント・ファンには、お楽しみも多いのではと思いますけれど、
その反面、描かれた人物像には「うむぅ・・・××× 」となってしまうかもしれないですね。