子供の頃から問題解決能力を教育する必要性・・・
著者の渡辺健介さんは、中学2年からアメリカで教育を受け、
イエール大学を卒業後に入社したマッキンゼー・アンド・カンパニーで
体系的な問題解決のためのトレーニングを受け、
自らを振り返りつつ
「なぜこれをもっと早く教えてくれなかったんだろう」と強く思ったそうです。
ということで、中学生か、せいぜい高校生に向けた体裁の本ができあがったわけですね。
問題解決手法のハウツー本は、書店のビジネス書のコーナーにごろごろしているわけで、
こうしたことを身に付けたいと思っている「大人」がたくさんいるということなのでしょう。
もっとも、たくさん同類の本が並んでいるだけで、「これがトレンドか!」と
買ってしまう人もいるのでしょうけれど。
ただ、個人的には「ハウツー本」が好きではないので、想像ではありますが。
この本の場合は、子供向けに書かれたものだということがひとつの興味になっていました。
難しいことをやさしく書くのは、決して簡単ではないと思うからなのですね。
大人向けで「やさしく解説」したりしているものは、ともすると非常にチープな中味だったりしますし、
一方で難しいことを小難しく書くのは、
実は「知識が頭に入ったかな」くらいでも書けるかもしれない反面、
やさしくするのは、「頭の中で消化できてる」ことが前提になるでしょうから。
その点、この本は、「ロジック・ツリー」や「ポートフォリオ分析」を(もちろんそういう名称を使わずに)用いて、
問題の本質を見極め、打ち手を見出し、そして実行することが大事というところまでを、
やさしくやさしく解説しています。
例示される問題は、
「中学生のアマチュア・バンドが学校の体育館で行うコンサートの観客を増やすにはどうするか?」
「将来CGアニメの監督になるために、まず自前のパソコンをお小遣いで買うにはどうしたらよいか?」
といったものです。(身近な問題かどうかは別として、わかりやすくはある)
著者曰く、
どんなに大きく見える問題でも、いくつかの小さな問題に分解すれば解けるのです。一度そのことに気付けば自信がつくし、前向きになるし、精神的にも余裕ができます。そして、自ら考え、決断をし、行動をすることの楽しさを知り、人生を切り開くために必要な癖が身に付くのです。
ということを言われて「うむぅ~」と感じるのは、必ずしも人生がうまく行っていない(?)大人でも同じなのか、
どうやらこの本を買うのは大人たちのようです。
朝日新聞の書評欄には、「親子で身近な問題解決に挑んでみては」とありますけれど、
親子で「ポートフォリオ分析」やってるとしたら、
それはそれでなんだか妙なような・・・気もしないではないですが。
