切ない東京 | 京都還暦男のシングル暮らし

京都還暦男のシングル暮らし

京都在住歴40年以上。2024年の2月で還暦です。これから終活。日々の出来事を綴りたいと思います。

思えば、俺は大学の頃とほとんど変わらない生活をしています。

 

住んでいるところも学生マンションと大して家賃変わらないですし、結婚もしていないし、子供もいないし、車もないです。

 

元々そういうのが欲しいとは思わなかったせいなのですが、今60歳になってみると、なんか俺の人生、同じことをずっと繰り返している人生。

 

だいぶ前に味のしなくなったチューイングガムを噛み続けている人生だと、他の人から言われたと書きましたが、本当にそうですよね。

 

もちろん、その間には人との出会いはたくさんありました。

 

しかし、大抵の人は一過性で去っていくんです。

 

30代の時は大阪の社会運動家の人と喧嘩。

40代の時は山科の社会運動家の人と喧嘩。

 

あの人たちは俺の方もあまり好きじゃなかったので、別にいいですけど、とてもいい人と思っていた人ともいつしか会わなくなります。

 

例えば、山科のグループで知り合ったあるロースクールに通っていた男性は当時30ぐらい。今もう40代半ばくらいのはずだけど、こっちにいた頃は仲良かった。

彼はマッチョで、彼女と喧嘩して、過激な性格だから、その後、揉めて大変な時期でした。

それで彼の方も京都から離れたいと思ったのでしょう。

元々が茨城のひとでしたし、東京に去って行きました。悪い思い出は捨てようと思ったんでしょうね。

彼とは10年ぐらい会っていません。

 

ちょうど同じ頃通っていた鍼灸師の先生は人柄が良くて、子煩悩で、とてもいい人で、そこで治療を受けると心がやすらぐような人でしたが、あの先生も京都での生活が行き詰まって、奥さんが東京の方の人なので、東京へ去って行きました。

 

あと教え子たちで慕ってくれた子も今は東京にいる子が多いです。

今は東京に行かなかったら就職がないと言っている子も多いです。

おそらく、その後どこに配属されるかわからないけど、最初は東京という雰囲気なんでしょう。

 

みんな東京に行ってしまう。

 

俺も最初は東京志向で、東京の大学しか考えていなかったのが京都の大学に来てしまいました。

そして、40年以上。。。

 

今でも東京に行くと、心が高まっていくのを感じます。

そして、俺は一時的であっても東京の住人になったことがないことが、なんとなく寂しくなるんですね。

 

ある東京から関西に来られた人は、「東京って、広いんですよー。何かするんだったら東京がいいかもしれんけど、生活を楽しむんだったら地方の方がいいと思うけど」とおっしゃっていました。

 

確かに、京都はいい街です。

でも、東京で暮らしてみたかった。

 

もうこれは叶わない夢です。

今更東京に移るなんて絶対にできないから。

 

だからこそ、切ない。

失ったものは美しく見えます(笑)。