忌々しき80年代 | 京都還暦男のシングル暮らし

京都還暦男のシングル暮らし

京都在住歴40年以上。2024年の2月で還暦です。これから終活。日々の出来事を綴りたいと思います。

この頃春休みで暇なのですが、なかなか見る映画がないんです。

 

昔だったら、大阪や兵庫まで映画を見に行ったりしていました。

しかし、流石に還暦になると映画のためにそんな遠くまで行きたくない。

 

できる限り近場で見れる映画で良さげなのを探してしまいます。

 

京都シネマで、『青春ジャック 止められるか俺たちを2』を見ました。

昨日映画通の先生が絶賛なさっていたので、暇つぶしに行きました。

 

ところが思わぬ拾い物。

最初からぐいぐい引き込まれて一気に2時間見てしまいました。

 

若松孝二監督を描く映画なのですが、何よりも80年代の雰囲気がムンムン。

 

まず舞台となるのが名画座。

名画座なんて言っても今の若い子は知らないだろうねー。

レンタルビデオが始まる前の時代、映画を3本立てくらいで再上映してくれる映画館があったんだよね。

京都だったら京一会館と祇園会館が有名でした。

その後、俺が大学を卒業するくらいの頃に京一会館はなくなり、祇園会館はその後も長く映画の上映を続けてはいたんだけど、もう最後の頃はお爺さんお婆さんばかりだったという記憶があります。

 

それからポルノ。

ポルノやピンク映画も今の子は知らないんだよねー。ポルノのことをAVという子が多いです。確かに今の子はAVは見ていても、ポルノとは呼ばないだろうからね。

確かAVが一般化し始めたのは、俺が25くらいの頃からでした。

 

それと予備校。

予備校の先生が生徒の前でビール飲むなんて今だったら考えられない。

そもそも予備校自体がすたれていて、俺たちの頃は駿台とかだったら、大学に入るよりも難しいと言われていました。

ところが今は駿台も代々木ゼミも誰でも入れると学生たちは言っています。

この頃は浪人までして大学に行こうとは思わないという学生が増えているらしいのです。

 

あの当時はこうだったなあーとあれこれ思い出をたどりながら映画を見ました。

 

とても面白く、よくできた映画なのですが、このブログで書いてきた通り、俺にとっては80年代は暗黒の時代だったので、見ていて寂しさが込み上げてきました。

 

この映画の主人公井上淳一は1965年生まれだから俺より学年は二つ違っているがほぼ同年代。

彼は、少なくとも映画を通じて、人付き合いもできたんでしょう。

 

俺はそれができなかった。

俺はあの当時であった人たちのことを忘れたいんだけど、記憶からぬけないのです。

 

不登校だった俺は、普通のやつよりも明らかに遅れていました。

高校の頃の1年間は大人になってからの5年に相当するといいます。

だから、俺は15年から20年のハンデを抱えて大学に入ったのです。

 

そこで待っていたものは、クラスの女の子たちからの白眼視、変に俺に関心を持っていた男子学生からのストーキング、変に俺に頼ろうとしていた女子学生からのしつこい誘い。

 

思い出すのも忌々しいことばかりです。

 

早くに忘れなくては!

もう還暦なんだから、あいつらと会うことだって永久にないだろうから。

 

過去を断捨離です!!!