瑛士が出所してから、冴木はすっかりやる気をなくしてしまった。
刑務所内の日常は変わらないはずだった。新しく入所してくる囚人たちをチェックしても、以前のようにそそられる人物は一人もいなかった。どれを見ても、瑛士の引き締まった肉体と虚ろでありながら美しい表情が脳裏に浮かび、重なるものは何もなかった。
表向き、冴木は真面目に刑務官の仕事をこなした。点呼を正確に行い、規則を厳しく守らせ、問題が起きれば迅速に対処する。部下からも「最近ますます厳しくなった」と評されるほどだった。しかしそれは、ただの殻に過ぎなかった。
家に帰ると、冴木は決まって同じことを繰り返した。カーテンを閉め切り、部屋の灯りを落とし、パソコンを起動させる。そして保存してあるフォルダを開き、瑛士との映像を再生する。拘束され、鞭で打たれながらも表情を崩さない瑛士。激しく犯され、汗と体液にまみれながら耐え続ける姿。虚ろな瞳で天井を見つめる横顔。映像を見返すたび、冴木は無言で己を慰めた。
動画はいつまで経っても鮮明で、瑛士の美しさは色褪せることがなかった。しかしそれは記録された過去でしかなく、二度と手に入らないものだった。冴木は映像を繰り返し見ながら、虚しく天井を仰いだ。
冴木は低く呟きながら、手を動かした。映像の中の瑛士を見つめ、虚しい快楽に浸る。
もう二度と味わえない生の感触。
もう二度と見られない生の表情。
それでも冴木は、ただその一つの映像だけを、
夜ごとに繰り返し見続けていた。瑛士の残像は、こうして彼の人生に深く、暗く、いつまでも刻みつけられていた。