テーブルの上にはポテトチップス、チョコレート菓子、そして多種多様なグミ——まるで宝箱のような輝きを放つパッケージが並べられている。
「今日も疲れたしんよ~。こんな日はお菓子で癒されるしかないしん!」
クロちゃんはそう呟きながら、ポテトチップスの袋を豪快に開けた。パリパリと音を立てるスナックを口に放り込み、満足げに頷く。そして、いつもの癖でスマートフォンを手に取り、Xに投稿した。
「夜ごはんはポテトチップス!飲み物は野菜ジュースで健康的にいくしんよ! ヘルシーダイナマイト!#健康生活 #クロちゃん」
クロちゃんの投稿は、瞬く間にフォロワーたちの目に飛び込んだ。数分後、リプライ欄には疑惑と罵詈雑言の声が溢れ始めた。
「夜ごはんがポテチと野菜ジュース!?他にも食ってるだろ!」
「ヘルシーとか言ってるけど、絶対カツ丼食ってるし!驚きゼロの隠しカツ丼!」
「クロちゃんの不健康生活(笑)」
クロちゃんはリプライをスクロールしながら、ニヤリと笑った。「ほ~、みんな探偵気取りだしんね!でも、これがクロちゃんの魅力だしん!」
彼はさらに火に油を注ぐように、追い打ちの投稿をアップした。
「体のことを気を遣ってクロちゃん特製スムージーも飲むしんよ~ #クロちゃんのダイエット」
添付された画像は、緑色の液体が入ったグラスだった。だが、鋭いフォロワーの一人が画像を拡大し、背景にコンビニで買った焼き肉弁当の容器がチラリと映っているのを発見。たちまちスクショが拡散され、炎上は加速した。
「スムージー(笑) 背景に焼き肉弁当映ってるじゃん!クロちゃん、雑すぎ!」
「これぞクロちゃんクオリティ!嘘がバレバレで草」
「夜ごはんにお菓子って、2型糖尿病なのに大丈夫なの?マジで心配なんだけど…」
ある日のこと、クロちゃんはいつものように『水曜日のダウンタウン』の収録現場に呼び出された。スタジオに足を踏み入れると、MCのダウンタウン浜田雅功が不敵な笑みを浮かべている。隣には、クロちゃんの投稿をプリントアウトした紙を持った藤井健太郎が立っていた。
「クロちゃん、またやったな?」
浜田の声に、スタジオが笑いに包まれる。クロちゃんはキョトンとした顔で首を振った。
「何!?何!?クロちゃん、悪いことしてないしんよ~!」
藤井がスクリーンにクロちゃんの投稿を映し出す。
「これがクロちゃんの言うヘルシーな食事ですか?」
スタジオから爆笑が沸き起こり、クロちゃんは顔を真っ赤にして弁明を始めた。
「野菜食べたら健康的だしん!」
だが、番組スタッフはすでにクロちゃんの自宅に隠しカメラを設置済みだ。それが映し出された映像には、クロちゃんが焼き肉弁当を食べ終わった後、ポテトチップス、チョコレート、グミを次々に頬張り、満足げにソファでゴロゴロする姿がバッチリ収められていた。スタジオは大爆笑に包まれ、クロちゃんは頭を抱えた。
「プライバシーの侵害!水曜日、ずるいしんよ~!」
その様子が放送後、X上での炎上はさらに勢いを増した。
「夜ごはんにお菓子食べるなよ」「健康とか言ってるのにこれかよ!」といった批判が飛び交う中、クロちゃんはまるで意に介さない様子で新たな投稿をアップした。
「野菜食べて健康的に生きるしん!ポテチはポテトサラダと同じだしんよ~! #野菜生活」
驚くべきことに、この投稿にも200件以上の罵詈雑言が寄せられたが、クロちゃんはニコニコと笑いながらリプライを読み漁っていた。
彼の親友である高橋みなみは、後にこう語った。
「クロちゃんって、昭和生まれとは思えないくらいSNSの使い方が戦略的。炎上しても全然へこたれないの、ほんとすごいよね」
クロちゃん自身も、インタビューでこう語っている。
「炎上?それもクロちゃんの魅力だしん!おはようツイートにすら『死ね!』って来るけど、俺は毎日ハッピーだしんよ!」
クロちゃんの炎上は、彼の人生の一部であり、むしろ彼を輝かせる燃料だった。どんなに批判されても、どんなに嘘がバレても、彼は鋼のメンタルで笑い続けた。