「しっかり者ですごく頼りになると思っていた安永宏、彼となら結婚も見据えたうえでうまくやっていけると何の疑いもなく同棲を始めたんだけど、いざ一緒に暮らしてみると、彼は家事を一切しないで、私にすべて丸投げ。 ゴミ出しという簡単なタスクさえやってくれなくて、すごくストレスだった。いつのまにか完全に家政婦状態になっていると気づいた時点で、もう気持ちが冷めてしまい、婚約も解消しちゃった。」

そう言う久美子の表情はとても晴れやかで封印が解けたかのような雰囲気をしている。

「久美子、それでいいの?」

ひとみが寂しそうな表情で話しかける。

「私が決めたことに二言はないよ。私とアイツは合わなかったそれだけ」