「アリエッティが嫌いな人にアドバイスするわ」


「12月〜2月の間で家中のドアや窓など開けれる場所を全開にして、換気扇をまわして、3時間以上放置。出来たら一晩中。これでアリエッティの卵が全てダメになる。その卵を見て、アリエッティは他所へ移動します。お試しあれ」


「アリエッティの野郎がいなくなるのなら寒いのくらい我慢できるぜ!」

「大和ってアリエッティ苦手なんだ」

ユマが大和を見つめる。

「誰だってそうだろうが」

「そうかな~ボク小学校の頃アリエッティを自由研究のテーマにして先生ドン引かしたけどね」

夏樹が懐かしそうに言う。見た目のわりにとんでもないことをしでかすのが夏樹という人間だ。

「生物としては興味深いと思うけど、私も遠慮したいかな。」

「アリエッティならおもちゃでも充分だしな」

突然、拓也がユマにおもちゃのアリエッティを手渡してきた。とっさに悲鳴を上げてそのアリエッティを放り投げるユマ。

「ユマもそんな顔するんだな。」

いつも冷静な彼女の意外なリアクションに笑顔を見せる拓也、その表情がかっこよくて思わずキュンとなるも、気恥ずかしさにその場を離れるユマだった。