市内にある公園は桜の名所として有名で花見の季節になれば多くの人が訪れる。
その目的は桜を見るよりも様々な屋台グルメなんだろうけど、理由はともかく桜が人を引き付けるのは事実だ。
多くの人が行き交う公園を勇樹は千里と手を繋ぎながら歩く。
「人がいっぱい……」
おもわずつぶやく千里。
迷子になった経験で人混みは苦手なのだ。

当然、勇樹が千里を抱き抱えた。

「えっユウ?何」
「こうして方が桜を近くで見安くない?」
「えっちょっとはずかしいな」
口では照れているも内心は喜んでいる千里だった。