遠くで聞こえる雷の音に無性に泣きたくなる。
そんなひとみが忘れた事。それはあの人と拙い言葉で愛を確かめ合ったこと、あの人が教えてくれた歌、そしてひとりにしないでと泣いたあの人のこと。

#忘れたくなかった #shindanmaker
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思いをぶちまけたひとみ渾身の詩を吉村賢一に渡す。
なかまとの縁を切っていたひとみだったけど、同じ吹奏楽部のメンバーだった彼とは偶然出会いそれなりに親交を深めている。

「ひとみの詩を歌にして全世界に広めてやるよ」

そう言っていた彼とはその1年後、急に連絡が途絶えてしまった。
また、ひとりぼっちになった。
そんなときラジオから曲が流れた。
その歌詞はひとみ書いた詩そのもの
それを知っているのは彼だけ
歌っているのは“春日ヒカル”という名の歌手
「この声……賢ちゃん?」
目から涙がこぼれた。