「子供のころからドラマ、バラエティ、アイドルや芸人を含む芸能人などに興味がないんだ。」
城山ひかるはロキを撫でながら誰ともなしに呟く。
「小学生のころはさ、友達との話題についていくために 好きな歌手を聞かれたらテキトーに2,3人答えてて、それはたまたま何かで知っただけの人で、実際はどんな歌を歌っているかなど全く知らない。 中学に入るとそういうことさえ無駄と思って、 自分の好きなことだけを考えることにしたんだ。」
「ひかるの好きなことって何?」
中川冴子が質問するとひかるはどこか嬉しそうな表情になる。
「当時は古生物。 博物館に行ったり、関連書籍やグッズ買ったりしてた。それ関係のテレビ番組は見るけどドラマなんて一切見ないよ。好きな芸能人もいないしね。でも学校では極当たり前みたいにドラマとか芸能人の話題ばかりでボクは息苦しかった。 」
「古生物のグッズってどんなの持ってる?私、アンモナイトの化石家にあるんだけど見に来る?」
「えっ見たいけど、えいじくんがなんて言うかな………」
ひかるはそっと冴子の彼氏の方を見る。菊地英治は相原徹と何か話をしている。
「大丈夫だよ。その化石はえいじから誕生日プレゼントでもらったものだし」
「そうなんだ。」
誕生日に化石ってなかなかのセンスだけど、それが彼女の喜ぶものだと知ってるくらい2人の仲は親密さを増していることなのか、そう考えるとますます冴子に対して遠慮がちになってしまうひかるだった。