仕事終わり、安永宏はとんでもないものを目の当たりにした。
久美子が男性と親しげに談笑しているところを・・・・制服は着ていなかったから学校の友人ではない事は明らかだ。
まさか、久美子にかぎって他に好きな相手がいるなんて思いも寄らなかった。確かに最近は仕事が忙しくてなかなか会う機会もなかったけど・・・・・
安永は家には帰らず相原進学塾へ向かう。
相原は当然だが菊地もいる。安永は久美子のことを二人に話す。
「で?」
相変わらず色恋沙汰には塩対応の相原は興味なさそうだ。
「だから、俺もどうしたらいいかわかんねぇんだ。まさか、久美子に直接問いただすわけにもいかねえし・・・・・」
「安永と久美子っていつの間にかカップルになってた感はあるよな。気づけば一緒にいるみたいな。」
中学の頃から常に行動を共にしていた。そして、気づけば久美子のことが好きになっていった。でも、久美子本人はどうなんだろう。菊地に言われて始めて気づかされた。
異性としてすきなのか?それともただのバディなのか?
「一回はっきり告白でもしてみたら?もうじきバレンタインもあるし・・・」
バレンタインなんていうちゃらついたお菓子屋の陰謀みたいなイベントなんて興味なかったが、久美子の本心を聞くにはいい機会なのかもしれない。
「そういうお前はどうなんだ?」
「何が?」
「二股交際なんてやめたほうがいいぞ。」
「おれがいつ二股かけたんだよ?」
「ひとみがいるのに冴子ともつきあってるじゃねえか。俺そういう女ったらしみたいなのキライなんだよ。」
「おれが好きなのは冴子だけだよ。ひとみなんてとっくの昔に好きじゃなくなってるんだ。だから二股じゃない。」
「そうなのか!?じゃあひとみにはっきり言ったほうがよくないか?」
「何を?」
「もうキライになったとでもいえばいいだろう。ここははっきりさせといたほうがひとみにとってもいいだろ。」
「元々付き合ってもないのに絶好宣言っておかしくないか?」
相原が口を開く。
冷静に考えてみれば菊地とひとみがつきあったなんて事実は存在しない。ただ、好きだといってるだけであって周りがもてはやしただけなのだ。