滝川ルミは本屋で買ってきた“はじめての編み物”を開く。
初心者はやっぱりマフラーが妥当なところか。
自分のためではない、相原徹に渡すのだ。
相原と会ったのは中学のとき、そのときはかっこいいお兄さんみたいな存在だった。
でも、それが恋愛感情に変化したのは、ルミが怪しげな宗教団体に拉致されたとき、不安でたまらなかったルミに対し相原が優しく抱いてくれたとき不安な気持ちが消え心が安らいだのだ。
それ以来、相原とまともに顔を合わせるのが恥ずかしくなってしまった。
彼と同じ名前をつけた愛犬の頭をなでる。
高校を卒業したら相原とは会えなくなってしまう。だから、その前に自分の気持ちを伝えたい。
後悔はしたくないから