海岸には菊地以外にも人がいる。しかも女性だ。こんな時間にひとりたたずむ女性とはいったい・・・・?菊地はその女性に近づいていく。
女性までの距離が5mになったとき、その女性が振り向く。その顔に菊地はびっくりした。
「冴子・・・・・」
彼女の顔は菊地が唯一心から愛した女性にそっくりだったのだ。
「き、きみは・・・・?」
「わたしは・・・・・」
突然、女性が倒れた。運よく菊地が抱きとめる形となったが・・・近くで見ると、ますます冴子に似ている。彼女に双子の姉妹がいるなんて聞いた事ないし・・・・世界には自分とそっくりの顔をした人間が3人はいるって聞いた事あったな・・・・・・。
とにかく、この女性を置いていくわけに行かない。
菊地は謎の女性を抱きかかえ自宅へと向かった。
古いアパートの二階の一室、ここが菊地英治の沖縄での住まいだ。
ベッドに女性を寝かせると忘れていた熱い感情があふれ出る。
冴子の死以来、もう人を好きになる事なんてない。それなのに目の前にいる女性を見ると最愛の恋人の事を思い出してなんとも落ち着かない。
とにかく、冷静になるためにコーヒーを入れることにする。こんなとき純子がいてくれたらうまいコーヒーを入れてくれるのにな・・・・・。
部屋の中をコーヒーの香りが漂う中、女性が目を覚ました。
「ここは・・・?」
「あっ、ぼくの家さ。急に倒れたもんだからビックリしちゃったよ。」
「そう・・・・・」
「おれ、菊地英治っていいます!一応大学生。きみは?」
「私は・・・・サヤ」