「ボス!?あんた今どこにいるんだよ?」
数日ぶりに聞く上司の声に思わず荒ぶってしまう。
「ガキどもは別荘に連れてきた。まだ、始末してねえ。」
「そうか・・・・・」
長い沈黙、この間がいっそうイラつかせる。

「カマキリ・・・・おれたちはもうおしまいだ。」
「ボス?」
「でも、あのガキどもはまだ未来がある。おれたちのせいで死なせちまったら義理がたたねえだろ。」
物静かだが死を恐れない強い意志。
「あんたひとりカッコつけさせねえ、おれもつき合わせてもらおうじゃないか!」
「お前が死んだらあの二人はどうなる?」
弟分のデブとチビの姿が思い浮かぶ。
「ガキじゃあるめぇしあいつらだけでもやっていけるだろ」


ボスの乗った車は刺客を乗せた車もろとも崖に落ち、自らの命とともに派手な炎を上げた。
ほんとに最期の最期までカッコつけの上司だ。