かつて、チェスの世界チャンピオンがコンピュータに負けたというニュースが報道され、世間を賑わした。
そのとき、羽生善治にインタビューが行われ、将棋は将来コンピュータに負けるんでしょうか、というものだった。
チェスは獲得した駒は盤上に戻らないため、駒が減れば終盤のパターンは、コンピュータの計算としては収束しやすい。
それに対して将棋では駒をとっても、打って使えるので読み手の数は膨大となり何兆通りにも達する。
上記の理由と当時のコンピュータは力不足だったことから、チェスで勝つことはあっても将棋で勝つことはいつまでもないだろう、と取材したマスコミは言っていた。
私もそう思っていた、と同時に少し残念な気持ちにもなった。
しかし、このインタビュー記事には見落としがあったわけだ。
時が経過し、個人で買えるパソコンが、かつて何億円もしたスーパーコンピュータ並の能力を有するようになったのだ。
さらに、将棋ソフトを開発する人が増え、アルゴリズムが進化して行ったことも重要な要因である。
コンピュータによる将棋の研究は東北大学や東京大学などの学術研究機関だけでなく、昨今はコンピュータ将棋選手権でも見られるように、個人でもかなり強いソフトを作り、研究する人が増えた。
アルゴリズムの向上には競争が大事である。