昨晩も藤村俊二さんのことは書きましたが、藤村さんはもともと演出家を志しておられました。
演出家になるために大学を中退され東宝芸能学校で歌や躍りを学ばれたわけですが、
そこで出逢ったのが、ピンク・レディーさんや石野真子さんの振り付けでも有名になられた、
振付師、土居甫さんです。
土居先生は、舞台に出たい方、
一方の藤村さんは演出家になるための勉強で在籍していたので、舞台出演は目指していらっしゃらなかった・・・
舞台に出演させられそうになるとヒョイヒョイといなくなる・・・
そこで「オヒョイ」というあだ名がついたというのが、ご本人の書き記されたお話。
学校を出て日劇ダンシング・チームに入られて、イギリスに行かれて、ロンドンで見たものが、
「ウエスト・サイド・ストーリー」。
そこで、こういう金髪の人たちが演じるような西洋の演目は日本人のやるものではない!
と思われて、パリにパントマイムを習いに行かれたそうです。
しかし、帰国後、テレビの世界に振付師がいない・・・ということで、ドリフターズさんやコマーシャルの振り付けをされた・・・
土居甫先生より早く振り付けの仕事をされたわけですが、
学校時代に藤村さんは踊り、土居先生は芝居を学んでいたのが、結果的には逆転の人生を歩まれたわけです。
とにかく、今でこそダンスを踊る男性はたくさんで、アクロバティックなものも含めあらゆる種類のダンスを踊られますが、
藤村さん、土居先生の時代は、踊りを踊れる男性は少なかったんですね。
踊らされていた・・・というのが藤村さんの当時の印象だったそうです。
踊りというものは深いです。
振り付けの意味・・・
ピンクレ・ディーの振り付けの説明を土居先生が求められているのを見て、
藤村さんは、違和感を感じられたそうです。
それは、パントマイムを学んだことから。
振り付けの説明・・・それはパントマイムを演じる前にネタを全部話すようなものだと・・・。
しかし、大大ブーム。
あの当時は、それが求められていましたからね・・・確かに。
私も土居先生に自分なりの振り付けの解釈を話したことがあります。
それは、どこにも書かれていなかったこと。
土居先生に「そうだよ」と言われた時は嬉しかったものです。
ずっと自分で振り付けの意味を考える楽しみがありましたね・・・。
親しみやすい、楽しい、面白い・・・
藤村俊二さんのそのキャラクターは、物凄い努力と葛藤と闘いの中から生まれたものなのだと・・・
藤村さんの書き記されたものをあらためて読み返してよくわかりました。
地球が滅びない限り、踊り、ミュージカルというものも進化していきます。
私は、ジーン・ケリー、フレッド・アステアからのミュージカルの大ファンですが、
ジーン・ケリーは、マイケル・ジャクソンの踊りやストリート・ダンスを見て、
物凄く感動していたのを思い出します。
自分たちの時代では、考えられない進化をしているってね。
私は今年、ミュージカルはロンドンで「ドリーム・ガールズ」を見て、
堂本光一さん主演の「SHOCK」も拝見しました。
基本的に同じ作品でも、時代、時代によっていろいろな役者がいます。
舞台は、ひとりひとりのそのカラーと息づかいで大きく味が変わるもの。
藤村さんのミュージカルの時代、確かに日本人では無理・・・という考え方もあったでしょう。
しかし、「SHOCK」を見てどんどん完成度が高くなり、演出も踊りも昔の日本人では考えられないレベルになっているな・・・と痛感しました。
明日、夕方16時50分から「ニュース シブ5時」(NHK総合)の生放送では、そんな舞台「SHOCK」と演出も手がける堂本光一さんの熱い思いをお届けいたします。
その前に!
あと6時間後。
深夜というか早朝というか(笑)
TOKYO FM「団塊ザ・ミュージック」の放送があります!
4時~6時の2時間、今回は1980年の邦楽洋楽をお楽しみいただきます。
ラジコ、スマートフォンでも日本全国お楽しみいただけます。
放送をお楽しみに!
それでは深夜にお会いいたしましょう!