Eさん 80歳後半 男性です。
腎臓病 膝関節疾患、難聴をお持ちの方です。
介護サービスは、福祉用具、訪問看護、訪問介護を利用中です。
数年前に、腎臓病で倒れ、総合病院で治療を受け、透析が必要になりましたが、病院からの退院後は、サービス付き高齢者向け住宅で生活をしております。
腎臓病があるため、一日おきに透析を受けております。
Eさんは、退院後すぐに看護小規模多機能居宅へ移りましたが、看護小規模多機能での理学療法士の提案する訓練に対して納得しにくく、自己流のリハビリを継続しておりました。
Eさんは、難聴があるため、色々なサービスのスタッフに対しても、なかなか意見が通じにくく、筆談を使うことが多くなっております。
そんなEさんは、とても強い希望があり、
「自宅に帰りたい!」というお気持ちでした。
日々関わるスタッフに対して、「自宅に帰りたい。」という希望が強くなってきており、できれば希望を叶えたいと思っておりました。
しかし、自宅では息子様がEさんの奥様を介護している状態のため、息子様としては、両親の介護は難しいとお話をしておりました。
Eさんは、移動する際に、車椅子を使用しておりました。
もし、自宅へ帰るにしても自宅の中は車椅子の利用がとても難しい状態で、一度、家屋調査をしてみましょうと話になりました。
家屋調査としては、
娘様や普段お世話になっている介護サービスのスタッフの協力を得て、サービス付き高齢者向け住宅から自宅まで同行して頂きました。
自宅に着いてから、
玄関前の階段昇降
玄関の上がり框
自宅の中の廊下
寝室として使用していた居間
台所
トイレ
浴室
といった形で、Eさんが移動されると思われる動線に全員で同行し、Eさん自身が自宅での生活が可能かどうか?検討する機会となりました。
実際、Eさん自身は、現在、車椅子を使用しておりますが、本来は、車椅子を使用するよりも歩行器を使用した方が良い、と理学療法士や福祉用具専門相談員から助言されておりましたが、Eさんは、あえて車椅子を使用すると強く主張しておりました。
そして、今回の家屋調査で、Eさんの心が動きました。
「歩行器にしようかな?」とEさんから、お言葉がありました。
Eさん自身は、自宅の階段や動線を移動した際、自宅に帰るには車椅子では不可能と考えたようでした。
今まで、理学療法士や福祉用具専門相談員、また介護スタッフが悩んできた「車椅子よりも歩行器の方が良いのでは?」という、心配が一気に解消された瞬間でした。
福祉用具専門相談員としては、「この気持ちが変わらないうちに」と思い、その場で、歩行器の在庫を確認しました。
また、ケアマネジャーの私から、最近新しく出た歩行器「ミケーレ」はいかがでしょうか?と、福祉用具専門相談員に提案しました。
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「ミケーレ」は、2017年のグッドデザイン賞を受賞した歩行器で、男性の高齢者向けに「渋い」といったイメージの歩行器です。
後日、サービス付き高齢者向け住宅で歩行器のデモを行うことにしました。
歩行器のデモ当日。
Eさんに、3台の歩行器を提示しました。
歩行器「ミケーレ」をはじめとし、3台の歩行器を試した結果、
Eさんからは、「これにするよ。」と「ミケーレ」を指定されました。
ケアマネジャーの私や福祉用具専門相談員としては、
「もしかしたら、やっぱり車椅子がいい。」と気持ちが変わらないかな?
と思い、「一応車椅子も置かせてもらいますね?」と問いかけると。
「それはもういい。」
「今までお世話になったけど、こっちにするよ。」とお返事でした。
福祉用具専門相談員もケアマネの私も「良かった。」の一言でした。
福祉用具専門相談員としては、
「今まで、何度も歩行器の方が良いと思いますよ。と専門的に理学療法士と提案してきましたが、全く聞き入れられませんでした。」
「今回の家屋調査で車椅子から歩行器へ変更というお気持ちになって本当に良かったです。」
「自宅に帰りたい!!って、すごいですね!」
と、悩みが解消された瞬間でした。
今回、退院後に自宅に寄らずそのままサービス付き高齢者向け住宅へ入居し、自宅の様子がわからなかったEさんに対して、色々な介護スタッフが関わり、「自宅に帰りたい!」という目標になったことにより、車椅子から歩行器へ変更することも可能になりました。
Eさんは、現在、サービス付き高齢者向け住宅で歩行器を使用しながらリハビリ中ですが、最近では、理学療法士の提案したリハビリにも前向きになり、自己流から理学療法のリハビリを実施するようになりました。
Eさん、リハビリを頑張って、ご自宅に帰れますように。
「自宅に帰りたい!」って気持ち、頑張れる心、
本当にすごいと思いました。


