【柳行李と鞄 加西日記011】
土蔵の片隅にホコリまみれの柳行李（やなぎごうり）を見つけた。並んで年代物のトランク（スーツケース）もあった。
柳行李はロシア人形のマトリョーシカのように、次々と中から小さな柳行李が現れる。
中川品子と記され、旧村岡町（現兵庫県香美町）小谷家から曽祖父中川清一のもとに嫁いできた品子の遺品と分かった。恐らく140年ほど昔のもの。
頑丈な革製トランクには大叔父（私の祖父の弟）夫妻の名前があった。どちらも恐らく豊岡で作られたものと思われ、世界に通用する立派な仕上がりだ。
柳行李を水洗いして驚いたのは、柳の編目や麻糸の造作が大変緻密で隙間がなく、たらいのように水を入れてもほとんど水漏れしないこと。
柳自体は毎年再生するので環境に優しく、軽くて丈夫な素材であり、革製鞄も大切に長く使うことが大事だ。
世界に誇れる豊岡の伝統工芸品。
大切に保存・展示し、子ども達や次世代に伝統工芸や古き良き日本の生活スタイルを守り伝えていきたい。
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