「いつかは泊まってみたい」と切に願うある洗練された宿のホームページが
リニューアルされるにあたって、そこで流れる音楽の制作を依頼された。
毎晩、うなっていますw。
深海の中で鳴っているような音楽が好きな僕が作る曲は、やはりそういう傾向があって
油断すると、とてもアンダーグラウンドなものになってしまう。
かと言って、よくある「このホームページにこの音?・・・邪魔だなぁ」
と感じてしまうようなチープな音を納品するわけにもいかず。
機材を引っ張り出してみたり、ソフトシンセをダウンロードして作ってみたり・・・。
海沿いの宿に鳴っている様々なアンビエント・ノイズを変換したものを
いかに美しい楽曲に仕上げるか?
これがテーマです。
もう少し、うなってみよう。
ヨーロッパの古いアイロン台/野いばらと蛇苺(5月の庭から)
古道具と野の花は、とても相性が良い。
例えば、このアイロン台・・・平たく言えば、“不要鉄の塊”すなわち“ゴミ”だ。
ブランド名も作家の刻印も何もないただのアイロン台。
奇をてらったデザインでなく、あくまで必要かつ必然な形態をしているのに美しい。
いや、『しているのに』でなく、『しているが故に』美しいのだろう。
確か、このアイロン台は、吉井町にある【四月の魚】で購入した。
拾ったわけじゃなく、購入したのだ。
購入したと言っても、美術品ではないので、いくらもしない。l
もちろん、アイロン台として使うつもりなど毛頭なく、
花との取り合わせをイメージして手に取った。
古道具も野の花も、豪華できらびやかな美しさを誇示することはない。
控えめだけど芯のある美しさで凛とただずむ・・・そんな美しさだ。
また、他のものを寄せ付けないような圧倒的な威圧感もない。
お互いがお互いをリスペクトして、それぞれが相手をたて合う。
これは、日本という国が持つ文化そのものであるような気もする。
古道具と花が織り成す質素ながらも贅沢な世界を是非体感して欲しいと思う。
「ママー!カラスアゲハ!カラスアゲハがおる。早く、カメラ持ってきて!」
長男の雄たけびで撮影した1枚。
聴雨居は、小倉の中心から車で15分程度の場所にある。
たった15分程度の移動で、その景色は大きく変わる。
足立山をはじめとする四季折々の光景を目にすることが出来るのだ。
夏の間のジャングル化する雑草や冬場の半端ない寒さなど
楽じゃないことも多いけど、自然が与えてくれる豊かさに心躍ることも多い。
追われがちな日々の生活の中で忘れてしまいそうになる日本の四季というものを
丁寧に紹介する・・・聴雨居はそんな場所でありたいと思っている。
13年以上もDJを続けたラジオ番組が、今年の3月で終了したとき
「とりあえずは、しばらくのんびりしよう」
と思った。
ところが、どうもそうならないようになっているようだ。
写真家の木寺さんとリリースをする予定の本や、月刊のフリーペーパーへの原稿書きや
あるホームページ用の音楽制作などを夜な夜なやってるわけです。
聴雨居も、そろそろ実店舗の稼動を本格的にスタートしたいし
家族との時間も大切にしたい。
お香の微かなけむりが漂う静かな部屋の中で、自分のためだけに選曲した音楽の中で
心ゆくまでうつらうつらと本を読むような時間に憧れるんだけど
結局、いつも何かをやってないと落ち着かない性格なんだよね。
まあ、作り続けることが僕にとってリラックス出来る場所でもあるのだろう。



