古代エジプトとコーカサス 〔E・ケイシー〕 | 瑞霊に倣いて

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  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

・古代エジプトとコーカサス  〔エドガー・ケイシー〕

 

 “エドガー・ケイシーのリーディングを研究する人々は、古代エジプト宗教の捉え方には第三の道があると考えるに至った。つまり、それを「唯一神の原則」という教義が堕落したものと見るのである。彼らの見方によれば、古代エジプトの神々や女神達の中には、神の属性の擬人化、つまり抽象的観念を具体的なものにしようとする試みが反映されている。

 ジェームス・ヘンリー・ブレステッドは『道徳意識の夜明け』という著書の中でこう述べている。つまり古代エジプト人はモーゼの十戒よりはるかに優れた倫理規範を持っていたのであり、しかもそれを持ったのは、モーゼの十戒が出現するより優に千年を超える昔のことであった。彼が非常にはっきりと確信するところでは、我々が継承している道徳的な遺産の起源は、ヘブライ民族よりはるかに古く範囲も広い人類の過去までさかのぼるのである。彼の主張によれば、我々の受け継いだ道徳的遺産は、ヘブライ民族から伝わったものではなくして、彼らを通じて我々にもたらされたのである。

 多くの学者が、石碑に遺された古代エジプト人の哲学的・宗教的霊感を示す碑文を、必ず旧約聖書の箴言や詩篇の内容と比較対照するようにしている。このように学問的に見て両者が密接な関係にあることは多くの人々に、歴史で知られているような古代エジプトの宗教が、実際には進化発展したものというよりむしろ腐敗堕落したものではなかったか、という疑いを抱かせている。あるいは実際に、リーディングが言及したような神官が先史時代に実在し、「唯一神の原則」を説いたのかもしれない。

 一九三九年のあるリーディングは、このような一人の神官と宗教集団が東方からエジプトへ来たと述べている。

 

 ……この神官は、自己の内面より生じた霊感を受けたことのある人間であった。そして自分たちの物質的生活における目的の本質と理由を探求してゆくなら、だれでもこのような影響もしくは影響力が与えられる可能性があることを悟ったこの男は、今度はこのような物質性の探求を促進することのできる者を探し出した。こうして、現在はカルパチア地方と呼ばれている一帯の一部を成していた地域を出発したこの男は、大いなる群衆もしくは多数の者たち(個々の魂について言えば九〇〇人を数えた)とともに、現在エジプトと呼ばれている土地に入ったのである……。(二八一-四二)

 

 ……実体はその頃、当時の支配者アラルトの相談役としてのかかる地位を占めていたのであるが、アラルトと同じく、現在のアラビア人が住む広大な平原地帯からエジプト人の諸勢力を支配するためにこの地に来たのであって、このエジプトの支配統治は最初ギゼーに打ちたてられた……。(九五三-一三)

 

 では、このような東方起源説の証拠となる何かが、現在の歴史学者たちから得られるであろうか?サミュエル・マーサーは『ピラミッド文書』第四巻の中で、太陽神ラーとその配下の神々が北東起源である可能性に触れている。もしかすると彼らはコーカサス地方からやってきたのかもしれない、というのである。彼の推測によれば、これらの指導的神々の特徴から推して、彼らはナイル河三角州の頂点部に住みついていた民族であり、知性的にも文明的にもより進んでいたのではないかと思われる。

 一九三四年十月に、『リアラリィー・ダイジェスト』に掲載されたビートリーによる報告記事では、コーカサス地方からエジプトへ幾度となく侵入が繰り返されたこと、そしてそれが始まったのはエジプトの歴史の萌芽期に近いバダリ文化(訳注:中部エジプト先王朝時代の新石器文化)時代にさかのぼることを示す証拠が取り上げられている。”(バイオレット・シェリー『エジプトの謎を解く手がかり』より)

 

 (H・L・ケイシー「エドガー・ケイシーからのメッセージ 精神生活ガイドブック」たま出版より)

*ちなみに、「霊界物語」には、スサノオはコーカス山にある顕国宮(うつしくにのみや)の主となり、そこからイホの国(エジプト)へ宣伝使たちを派遣したと書いてあります。

 “スターリングラード、コーカス山一帯は素戔嗚尊の本拠だから、ドイツが勝てないのである。(参照:霊界物語第11巻第23章保食神。第24章顕国宮。第25章巫の舞。)” (木庭次守編「新月のかけ」より)