「組織」のあり方 | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

 

・「組織」のあり方

 

 “いろいろの運動をする上に、今の人はすぐ組織を机の上で作って、それから人を組織の中に閉じ込める。それでは運動の発展も出来ず、人物も集まらない。人物が集まり、運動が軌道にのるようになれば、その時その時に応じた組織体が自然にできてくるのだ。人には天賦の神性が与えられている。その神性に立脚すれば、神に帰統一される性(さが)が自ずから現われて、おのずからなる組織ができあがってくるものだ。かんながらの性の無いものは無い。無理に人の力で組織の中に当てはめようとすると、必ず不平や不満が起こり、組織を破るようになる。また運動はその指導にあたる者や、責任者の人物によるので、誰彼の区別なく指導者になっても、それでは駄目だ。人は組織に運用されるのでなく指導者の徳によって動くのであって、人を機械化することはできない。ハンドルを動かせば、皆動かなくてはならないという考え方は、人の奴隷化である。指揮する人の徳、愛というものが人の心に流れ込んでくると、人は指揮しなくとも動いてくれる。以心伝心的に人と人とが通ずるところまで行くことが大切で、組織を強化して組織の牢獄に人を閉じ込めてはならぬ。特に宗教は神とつながるものであって、組織につながるものではない。また責任も感じないような人がどうして人を指図することができるものか。昔から「頭が廻らにゃ尾は廻らぬ」というではないか。人を動かすものは、先ず自ら動くことじゃ。昭和青年会員に対して、組織を破るものは悪だと言ったが、それはわしにして始めていえる言葉であって、他の者がそんなことをムヤミにいうと、必ず反抗する者が起きる。皆は組織があるのだから、それを守って、歩調を合わせましょうといえばよい。神は順序だからといって、自分の徳の足らないものが、人に順序を強制するようなことをしてはならない。”

 

        (「海潮」昭和25年4月号 大国以都雄録『運動の秘訣』より)

 

 

・エドガー・ケイシー・リーディング

 “リーディングに対して、組織のあり方の細かいところや、またそれを運用する人間に関して相談がなされた。これらの件に関しては、リーディングは単調にすぎるほど自説を譲らない態度を通した。リーディングは、いくら規則や決まりを作ってみたところで、組織のメンバーやその指導者達の間に正しい精神が打ち立てられない限り、全然益にならないと繰り返し主張した。「仕えたいと願う者を仕えさせよ。自らを捧げることを選ぶものを選べよ」とリーディングは告げた。理想がなければならなかったが、またその理想は、信じると同時にその理想を実践しなければならなかった。そのような組織は奉仕の精神の上に立てられるものであればこそ、そのメンバーは奉仕者たらねばならなかった。その目的とするところが啓蒙であればこそ、そのメンバーは自らが啓発されていなければならなかった。

 「これがリーディングが常に言うことなんだ」とエドガーはモートンに説明した。「だから、これまで組織を作ろうとする試みは全て失敗して来たんだ。これにかかわった人々は、そこから自分自身のために何か利益を得ようとしたんだ」”

 

      (トマス・サグル―「川がある(下) エドガー・ケイシー物語」たま出版より)