筆録者の回想 | 瑞霊に倣いて

瑞霊に倣いて

  
  『霊界物語』が一組あれば、これを 種 にしてミロクの世は実現できる。 
                            (出口王仁三郎)  

・加藤明子さん(物語の筆録者の一人)の回想

 

 ”言いおきにも書きおきにもないことを示すのであると御筆先にありますが、全く善悪にかかわらず神界、霊界の有様を暴露せらるるのですから、兇党界には大恐慌をおこしたと見えて妨害につぐ妨害があって、そのたび聖師様はもちろん筆録者一同もずいぶんひどい目にあったことも一切ならずでして、あるとき物語に言霊別(ことたまわけ)の神様が毒殺されんとする場面が出て来ましたが、その御口述のあった日、聖師様初め十六人の人が吐いたり下ろしたりして大騒ぎになったことがありました。

 また私は松雲閣の記録場に入って行くことがとても苦しく、門を入ることは槍襖(やりぶすま)の中を歩むような心地で、屠所の羊の歩を運んだことが幾月日だか分からないのでした。某霊覚者が同じ経験を語って、霊眼で見れば正に槍の襖であると申しておりました。悪霊は自分の素性を霊界物語によって暴露せらるるを非常におそれて極力妨害したのであると承りました。筆録者すらかくの如しですから、聖師様のおなやみは又格別で、筆紙に尽せぬ種々の出来事がありました。皆人間を使っての妨害でありまして、使われて居る本人はもちろんそれと自覚しては居りませんでした。”

 

        「神の国」昭和八年十二月掲載「をりをり物語」)