広州酒家
前記事で
、沙面をさまよい歩いた続きです。
夕食も思い出の場所へ、、
どこへ行きたかったかと言えば、あのグルメ漫画でも紹介された広州酒家です。
一回だけ行ったことがあるんですよね。やはり20年ほど前でしたか、、
日本のお客さんが来たので、漫画にも紹介された有名な老舗があると言って、、
工場と香港の職員さんたち、合わせて10人ぐらいで行きました。
例のグルメ漫画は、40巻ぐらいまで単行本で買っていたのですが、、
紹介されたと言えるかは疑問が残ります。
たしか中華の話しで豚の丸焼きがでると食通の登場人物が、これは広州酒家の名物料理だと、のたまうんじゃなかったかな、、
そんなパターンが何回があっただけと憶えてます。
漫画以外に日本のグルメ番組でも紹介されていましたね。
それは録画されたのを帰国したときに観ました。
周富徳とかが出ていたような、、
テレビカメラが厨房へ入ろうとすれば、いきなり店の人が手でレンズを覆い、ダメ出しされていました。
なんとも迫力のあるハプニングでしたが本場中華の、、それも老舗の厨房というだけあって、とてつもない禁断のイメージを持ったものです。
やらせだったのかも知れませんけど、、
やっとタクシーをひろい、おもむろに行き先を告げました。
すると、どこの広州酒家だと訊かれます。
どこって、、
ああ、光陰矢のごとし、あれから20年も時が経てば、グルメブームの影響で繁盛したのでしょうか、支店がそこら中にあるんだとか。
本店だ、と言えばどこが本店だか知らないと言われる始末。
しょうがないので、そのタクシーはあきらめました。
ここで、Zの威力
を発揮となります。
広州酒家で検索してみれば、、
あった!
ご丁寧に地図も出ています。
ええっと場所は、、板橋、、
板橋区、、板橋区役所前??
って、板橋区にあるんですか、広州酒家が??。
ちがうな、、東京の板橋区にも広州酒家って中華料理屋があるんだ、、
こりゃいかん、慌てて日本語で検索してました。
〝广州酒家〝って中国語で再検索せねば。
キーボードマークをプルダウンして、チェ~ンジ・言語入力ぅぅ~、中国語モード、オ~ンッ!
そのとき横で、じっと見ていたおねえさんが言います。
〝それって、、もしかして上下なんとか路にあるんじゃない、、?〝
〝へ?〝
〝前に一度だけ行ったことあるんだけど、大きな飲茶の店かと思ってた、、〝
と、いうわけで広州酒家に着きました。
よく見ると〝食は広州にあり〝って、、
日本語で書いてあります。
やっぱり板橋区にあったんだ、、
ってわけじゃないですね、きっと日本のグルメブームで笑いが止まらないほど儲かったんでしょう。
中に入れば20年前よりかなり照明が明るく、垢抜けた印象を持ちました。悪く言えばカラオケみたい、、
いや、ちがうな。
これってアレじゃない、宮崎アニメ、、千と千尋がどうしたってヤツの油屋みたいです。
席に着けばさすが有名店、お皿に屋号が、、
創業年でしょうか、1935と書いてあります。
ってことは老舗といっても100年続いてないんですか、、
東京の下町には、江戸時代から続いてる小さい店がけっこうあるんですけどね。
お茶が出ました。
お茶の葉が予備に一袋付いてます。
おまけに、中は茶漉し付き。
日本のきゅうすみたい。
さて、何を食べようか、、
メニューを見ながら、ここは豚の丸焼きが名物なんだって、、と漫画に書いてあったよ。
と言えば、、
〝そんなの二人で食べきれるわけないじゃない〝
まあ、そうですよね。
結局注文したのは、、
文昌鶏、、ですか。
鶏肉と中華ハムにレバーが添えてある。
三つ一緒に食べるとイケます。注文のミニマムがあり、6個からとか、、
これは、おなじみ咕嚕肉ですね、、好きですから20年前も食べたはず。
味は忘れちゃいましたけど、、
それとお昼も食べた菜心。
もう一品頼んであるのですが、最初は腹具合で最後は炒麺で締めようなんて話しました。
ところが、出されてみれば一品の盛りが激しいのなんの。
もう、ホーローの洗面器で飯食ってた時代じゃないんだから、、
遅れてきた最後の一品がこれ。
うなぎの揚げたのが野菜と炒められてます。
うなぎって田うなぎじゃないですね。
ここで、面白いことに気が付きました。
料理が出されると、皿に紙切れが添えられています。
見れば、、
これってもしかして、、
作った厨師の名前でしょうか。
これは感心させられました。さすが漫画のネタになる有名店、、
演出かもしれませんけどね、、日本のやらせ番組に、お客の喜ばせ方を学びました、、とか。
ああ、こっちに長くいると、すぐ捻じ曲がった考え方するようになりますね、、
そんなわけで、、量が多くて文昌鶏以外食べ切れません。
もちろん、炒麺は無し。
味に関して言えば、やはり大陸中華のクセがあります。
洗練されきっていない、重みのある味、、
ある意味、昼の飲茶に比べれば、懐かしい味なんですけどね。
文昌鶏は後引く美味さがありました。2~3日してから、じわっと食べたくなる、、
それ以外はとにかく、、はっきり言って香港の方が美味いよ。
とはいえ、お支払いしたら赤い毛主席3枚で、おつりがきました。
香港に比べたらずいぶん安いな、、
問題はこれです。
小バエが多い、、
手で追い払いながらのディナーでした。
なんでこんなにハエが、、大雨でも降るんじゃないか、と話していたら、、
降ってるじゃないですか。
タクシーでホテルまで帰るつもりでしたが、全く止まらず、、
しょうがないから、タクシーの多いところをさがして歩きました。
振り返れば広州酒家が、、
まるでパチンコ屋みたい。
すごい老舗の感覚だと思います。
こうなることが繁栄を意味するのでしょう。
結局タクシーが全然ひろえないので、地下鉄の長寿路駅まで歩き、地下鉄で帰りました。