川崎のぼるの漫画で、、 | らおぱんと呼ばれて

川崎のぼるの漫画で、、

浪人丹兵衛絶命という作品があります。

らおぱんと呼ばれて-大

昨日、ヤフーのニュースで京都の大文字焼きの写真を見たとき、ふと思い出しました。

小学校4年か5年の夏休みに買った少年マガジンに、読みきりとして掲載されてた短編です。

もちろん、そんな昔に読んだ漫画ですから、題名なんて憶えてるわけないのですけど、、

川崎のぼる、大文字焼き、しじみとり、少年マガジン等、記憶の断片から、思いつくキーワードで検索したら題名がわかりました。

ちょうど今時分、、8月も半ばを過ぎて夏が店仕舞いを始める、そんな気配を感じるようになったころ、、

いつものように、近所の貸し本屋さんで買った少年マガジンに、その漫画は載っていました。

読みきりですからね、、おまけに時代劇だし、、

それに川崎のぼるって、それほど好きな漫画家ではなかったので。

特に、指の関節まで細かく描くでしょ、、あれが荒々しい感じで、嫌だったりしたんですよ。

そんなわけで、いつもどおりにお気に入りの連載漫画から読んでいきました。

その漫画を読み始めたのは、ある日の夜更けです。

そういえば、まだ読んでないのがあった、、って、感じで。

夜風に揺れる、風鈴の音を聴きながら、読み始めたのですけど、、

一気に読んでしまいましたね。

記憶の中で、誇張されてる部分も多分にあるでしょう。

それでも、今読み返すことが出来たら、大泣きしてると思います。

内容は題名にもあるとおり、丹兵衛という浪人がいて、、

その人はたしか、、長屋で傘張りかなんかして暮らしてるのかな。

やがて、しじみ売りの少年と出会うのですが、その子が親と死に別れた孤児でした。

やがて少年は病に倒れ、労咳で余命わずか、、ということがわかり、丹兵衛はひきとって面倒をみるんですよね、、たしか。

で、あるとき外に吊るされた大根が、捻じ曲がって重なり、大の字に見えたわけですよ。

少年にはそれが大文字焼きを思い起こさせ、まだ両親が生きていたころ、親子で大文字焼きを見た思い出を幸せそうに話します。

丹兵衛は、なんとか次の夏まで少年の命が持ってくれれば、、と願います。

そして夏になり、、大文字焼きの日が近づくのですが、なんとその年は嵐で中止になるそうな。

そこで丹兵衛は一人で嵐の中、大文字焼きをやるんですよね、、少年に見せるために。

なんとか大の字に火をつけたあと、丹兵衛は力尽きて火の中に倒れ、題名通り絶命。

山に燃え浮かぶ大の字を見ながら、少年は安らかに眠っていく、、

と、いうお話でした。

読み終えたあと、過ぎようとする夏の気配も相まって、子供ながらせつない気持ちになりました。

なんで漫画で宿題の感想文書いちゃいけないんだろう、、とも思いましたね。

今年の大文字焼きがニュースで取り上げられたのは、放射能で被災地の薪を使うとか、使わないとかが背景にあるようですけど、、

これも例年ならありえない話ですが、そのため懐かしい漫画を思い出しました。

同じく少年マガジンの、夏の読みきりで読んだ、ちばてつやの蛍三七子もよかったな、、

らおぱんと呼ばれて-雲17aug2011

相変わらず暑いですけど、空はちょっと秋めいてきた気がします。