核のハルマゲドンに賭ける大統領たち
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ハルマゲドンの可能性を指摘していましたが、下記の人ジェフリーサックスもちゃんとした人。
No. 2176
核のハルマゲドンに賭ける大統領たち
投稿日時:
Presidents who gamble with nuclear Armageddon
by Jeffrey D Sachs
ジェフリー・サックス(Jeffrey David Sachs, 1954年11月5日 - )は、アメリカ合衆国の経済学者(開発経済学、国際経済学)。ミシガン州デトロイト出身。コロンビア大学地球研究所長(Earth Institute)を務め、国連ミレニアムプロジェクトのディレクターも兼務している。全米経済研究所研究員、Millenium Promiseの代表および共同創設者でもある。
米国の過去5人の大統領は、民主党、共和党を問わず、いずれも私たちを崖っぷちに近づけてきた。私たちは、国家を、そして世界をより安全で危険の少ない未来へと導くことのできる、平和の才に長けたリーダーを切実に必要としている。
米国大統領の最大の仕事は国家の安全を守ることである。核の時代において、それは主に核のハルマゲドンを回避することを意味する。ジョー・バイデンの無謀で無能な外交政策は私たちを消滅に近づけている。彼は、前任者のトランプと共にハルマゲドンに賭けた歴代大統領の長く不名誉なリストに加わっている。
現在、至るところで核戦争の話が聞かれる。NATO諸国のリーダーたちは、ロシアの敗北、さらには解体{1}を求める一方で、ロシアの6,000発の核弾頭については心配するなと言っている。
ウクライナはNATOが提供したミサイルを使ってロシア国内の核攻撃早期警戒システム(2)の一部を破壊している。
一方ロシアは、ウクライナとの国境付近で核の訓練(3)を行っている。ブリンケン米国務長官{4}とストルテンベルグNATO事務総長{5}は、ますます絶望的で過激になるウクライナ政権の思惑通りにNATOの兵器を使ってロシア領土を攻撃する許可をウクライナに与えている。
これらのリーダーたちは、核の時代において私たちの生存を真剣に考えた数少ない大統領の一人であるジョンFケネディ大統領が言った、キューバ危機の時の米ソ間の核対立の最も基本的な教訓を無視している。危機の余波の中で、ケネディは私たち、そして彼の後継者たちに語った{6}:
何よりも、自国の死活的利益を守る一方で、核保有国は敵対国に屈辱的な撤退か核戦争かの選択を迫るような対立を避けなければならない。核の時代にそのような道を選ぶことは、われわれの政策が破綻している証拠であり、あるいは世界に対して集団的な死を望んでいる証拠でしかない。
だがこれこそまさにバイデンが今日行っていることであり、破綻した無謀な政策を実行している。
核戦争は、非核戦争がエスカレートしたり、核兵器にアクセスできる衝動的なリーダーが奇襲先制攻撃をしようとしたり、あるいは重大な誤算をして容易に起こりうる。
ケネディとソ連のニキータ・フルシチョフがキューバ危機の終結を交渉した後にも、故障したソ連の潜水艦が核弾頭を搭載した魚雷を発射する寸前まで迫ったときにこのような事態が起こりかけた。
ほとんどの大統領、そしてほとんどの米国人は私たちがどれほど奈落の底に近づいているのか、ほとんど理解していない。
1947年に設立された原子力科学者協会(BSAT)は、核による世界の滅亡を回避するため、私たちが直面しているリスクの深刻さを一般の人々に理解してもらうために「終末時計」{7}を制定した。
国家安全保障の専門家たちは、人類滅亡を意味する「真夜中」まであとどれくらいか、あるいはどれくらい近いかによって時計を調整する。彼らは、今日の時計を真夜中まであと90秒としている。これは核時代において最も近づいている。
この時計は、どの大統領が 「理解 」し、どの大統領が 「理解していない 」かを示す有効な指標である。悲しい事実は、ほとんどの大統領が国家の名誉のために、あるいは個人的な強さを証明するために、あるいは戦争屋からの政治的攻撃を避けるために、あるいは無能の結果として、無謀にもわれわれの生存を賭けてきたということだ。単純明快に数えれば、5人の大統領が正しい決断を下して午前零時を遠ざけてきたが、最近の5人を含む9人の大統領がハルマゲドンに近づけた。
終末時計が1947年に発表されたときトルーマンが大統領で、午前零時まで7分だった。トルーマンは核軍拡競争を煽り、大統領を退任した時、時計は午前零時まであと3分だった。アイゼンハワーは核軍拡競争を続けたが、同時に核軍縮に関する史上初のソ連との交渉に入った。アイゼンハワーが大統領を退任する頃には、週末時計の針は7分前に戻っていた。
ケネディは、キューバ危機の際、戦争を呼びかける衝動的な顧問の助言に従うのではなく、冷静に推論を展開し、世界を救った(詳細については、マーティン・シャーウィンの『Gambling with Armageddon』(2020年)を参照)。彼はその後、1963年にフルシチョフと部分的核実験禁止条約を交渉した。ケネディが死んだとき、それは平和イニシアチブのために起こされた政府のクーデターであったかもしれないが、終末時計の針は12分前になっていた。素晴らしい歴史的偉業である。
しかしそれは長くは続かなかった。リンドン・ジョンソンはすぐにベトナムをエスカレートさせ、時計の針を再び7分前に戻した。リチャード・ニクソンは、ソ連と中国との緊張を緩和し、戦略兵器制限条約(SALT I)を締結し、時計の針を再び12分前に戻した。しかし、ジェラルド・フォードとジミー・カーターはSALT IIの締結に失敗し、カーターは1979年にCIAにアフガニスタン情勢を不安定化させる許可を与えてしまった。ロナルド・レーガンが大統領に就任する頃には、週末時計の針は真夜中まであと4分となっていた。
その後の12年間で冷戦は終結した。その功績の多くはソ連を政治的・経済的に改革し西洋との対立を終わらせることを目指したミハイル・ゴルバチョフにある。しかしレーガンとその後継者ジョージ・ブッシュ・シニアの功績も大きい。彼らはゴルバチョフと協力して冷戦終結に成功し、1991年12月にはソ連そのものが崩壊した。ブッシュが大統領を退任する頃には、終末時計は真夜中まで17分となり、核時代が始まって以来、最も安全な状態となった。
悲しいことに米国の安全保障体制は、ロシアが平和的かつ協力的な関係にはっきりと「イエス」と答えたとき、「イエス」と答えることができなかった。米国は冷戦を終わらせるだけでなく、「勝利」する必要があったのだ。
米国が主導する新しい「ルールに基づく秩序」のルールを一方的に作り上げる唯一の超大国であることを宣言し、証明する必要があった。そのため1992年以降、米国は戦争を仕掛け、広大な軍事基地網を拡大し、他国のレッドラインを堂々と無視し、核の敵対国を屈辱的な撤退に追い込むことを目指した。
1992年以来、どの大統領も米国と世界を前任者よりも核による消滅に近づけてきた。
クリントンが大統領に就任したとき、終末時計は真夜中まで17分だった。
ブッシュは5分、
オバマは3分、
そしてトランプはわずか100秒に時計を押し上げた。
そして今バイデンはその時間を90秒に縮めた。
バイデンは米国を3つの致命的な危機へと導いた。そのどれもがハルマゲドンに終わる可能性がある。
ウクライナへのNATOの拡大を主張することによって、ロシアのレッドラインに反して、バイデンは繰り返しロシアの屈辱的な撤退を促した。
大量虐殺を行うイスラエルに味方することで、新たな中東の軍拡競争と危険な中東紛争の拡大を煽った。
米国が表向きには1つの中国の一部と認めている台湾をめぐって中国を愚弄し、中国との戦争を招いている。
トランプも同様に中国とイランとの間で最も露骨に、いくつかの面で核の鍋をかき混ぜた。
最近のワシントンは心を決めているようだ。
ウクライナとガザでの戦争により多くの資金を提供する。
台湾への軍備増強。
私たちはますますハルマゲドンに近づいている。
世論調査によれば米国民は圧倒的に政府の外交政策を支持していない{10}が、国民の意見はほとんど意味をなさない。私たちはあらゆる丘の上から平和を叫ぶ必要がある。私たちの子や孫の生存がかかっているのだ。
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No. 2176 核のハルマゲドンに賭ける大統領たち | 耕助のブログ (kamogawakosuke.info)
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