ロシアに対するマクロンの好戦的態度は、アフリカから追い出されたフランス植民地主義拒絶の埋め合わせ
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ロシアに対するマクロンの好戦的態度は、アフリカから追い出されたフランス植民地主義拒絶の埋め合わせ
2024年3月15日
Strategic Culture Foundation
論説
エマニュエル・マクロン大統領ほど憤慨しているフランス政治家はいない。マクロンは自分は「フランスの偉大さ」を取り戻す使命を帯びていると妄想している。パリの庇護の下、他のヨーロッパ諸国を率いるという空想を彼は抱いているようだ。
今週、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がウクライナでの戦争に関し、偉そうに振る舞い、生意気な口を利く理由についてロシアのウラジーミル・プーチン大統領は的を射た見解を示した。
ウクライナをめぐるマクロンの理不尽な戦争挑発は、アフリカにおけるフランスの地位の目を見張るような失墜による憤激から生じているとプーチンはインタビューで述べた。フランス旧植民地諸国は次々、内政干渉しないよう、パリにはっきり伝えている。
2020年のマリでのクーデター以降、アフリカ大陸、特に西アフリカと中央アフリカでは、広大なサヘル地域から赤道まで、大きな政治的混乱が起きている。少なくとも七カ国が、フランス語圏支配者に対するクーデターや政権交代を経験している。マリ、ブルキナファソ、チャド、ニジェール、中央アフリカ共和国、ガボン、ギニアなどだ。
アフリカ大陸全体の変化はフランスにとって政治的激震となった。アフリカの各新政府は旧式のフランス庇護を断固拒絶し、新たに見いだした国家独立を主張した。パリは、望ましくない大使を召還し、軍事基地を閉鎖し、何千人もの軍隊を撤退させなければならなかった。
これらフランス軍をどこに配備しよう? ウクライナでロシアと戦わせるか?
アフリカ全土の民衆の感情は「フランス語フリーク」の腐敗に憤慨し拒絶している。
一方紛れもない終焉感とともにフランス・メディアは「アフリカにおけるフランスの影響力の縮小」を嘆いている。
ある元外交官が地政学的に重大な変化を次のように要約した。わが国の軍事駐留はもはや認められない。我々はアフリカとの関係を根本から見直す必要がある。我々はアフリカから追い出された。言われる前に、他の国から出国しなければならないのだ。」
現在、アフリカ専門家たちは二つの主要国を注視している。セネガルとコートジボワールだ。現在、両国とも親フランス派大統領に統治されているが、反フランス政治の高まりにより、現職大統領は、クーデターか選挙で追放される危険にさらされている。
フランス政治エリートへの打撃は、いくら強調してもし過ぎることはない。旧植民地での地位喪失には、1960年代初頭トラウマ的なアルジェリア喪失に等しい複数の危機が融合している。
財政的にアフリカ諸国に名目上の独立を譲った後、通貨と莫大な天然資源の支配を通じて、パリはこれらの国々を搾取し続けた。例えば、フランス電力のほとんど、アフリカで採掘されたウラン鉱石で発電されており、他のほとんどのアフリカ資源と同様、わずかな金額で入手しているのだ。
新植民地主義的宗主体制は、典型的には、現地の腐敗した政権にフランスが賄賂を贈り、フランス軍事基地継続による安全保障を提供することで維持されていた。自らをアフリカの憲兵とパリが考えたのも無理はない。
この新植民地主義的取り決めの並外れた好奇心の一つは、アフリカ諸国が金庫をフランス中央銀行に預けるのを余儀なくされたことだった。新植民地主義属国化に抵抗しようとするアフリカ諸国は、反クーデターにより軍事的に攻撃される可能性があったし、1987年に「アフリカのチェ・ゲバラ」として知られたトーマス・サンカラのような民族主義指導者は暗殺された。
それにもかかわらず、フランスが旧植民地を支配していた中途半端な時代は終わった。アフリカ諸国は、新たな独立意識や目的意識やフランスの現状復帰圧力をかわすための連帯感を見出している。
アフリカにおけるフランスの地位崩壊は、想定されていた世界的権力の悲惨な喪失として、フランス支配層に認識されている。
エマニュエル・マクロン大統領ほど憤慨しているフランス政治家はいない。マクロンは、自分が「フランスの偉大さ」を取り戻す使命を帯びていると妄想している。パリの庇護の下、他のヨーロッパ諸国を率いるという空想を彼は抱いているようだ。
マクロンは、フランスとアフリカの関係をリセットし、パリに対する大陸の尊敬を新たにし、フランスの戦略的利益を促進するという壮大な目標の1つを宣言した。マクロンにとって、アフリカ諸国が相次いで、もはや旧宗主国とは何の関係も持ちたくないと主張しているのは、なんと恥ずかしいことか。実に悔しい。
アフリカが自主開発を追求する新たな自信を見出している背景には、もはや西側諸国の支配下にない多極世界という現実の芽生えだ。アフリカ諸国は、ロシア、中国、その他のグローバル・サウス諸国が支持する多極世界と相互国際協力の構想を受け入れている。
2019年以来、モスクワは2回のロシア・アフリカ首脳会議を主催し、アフリカ大陸の54カ国全てから高位の参加者が集まった。欧米植民地主義からのアフリカ独立を支援してきたロシアの歴史は、時の試練に耐え、今日多くの尊敬と感謝を集めている。いくつかの国でフランス語圏政権が倒れた民衆反乱の際、現地住民はしばしばロシア国旗や親ロシア・プラカードを振っている。
変化を確固たるものにし、パリからの反革命的干渉から身を守るため、一部の新政権はロシアの軍事支援を要請している。
もちろん、予想通り、マクロンとフランス支配層は、フランスに対するアフリカの敵意をまき散らした責任はロシアにあるという作り話を発動した。
しかし、事実は、アフリカ諸国がロシア、中国、その他の多極化の提唱者と同盟するという自由で独立した選択をしていることを示唆している。何世紀にもわたる世界の少数派、欧米列強の植民地主義と新植民地主義は維持できなくなり、時代遅れになった。欧米諸国は、アフリカ人やグローバル・サウスの他の国々を踏み台にして富を築いた。フランスや他の欧米の吸血新植民地主義者連中は寄生モデルが続くのを望んでいる。しかし、極悪非道な歴史ゲームは終わった。
フランスの傲慢さが被った衝撃を正当化するため、マクロンとお仲間は、アフリカを失ったのを、ロシア(と中国)を身代わりにしようとしているのだ。
これが、ロシアの侵略とされるものに対する「ヨーロッパの擁護者」として、マクロンが新たな目的と使命を見出そうとしている理由だ。
今週フランス・テレビのインタビューで、ウクライナにNATO軍を配備するという、彼の無謀な提案をマクロンは強調した。
「もし(ウクライナでの)この戦争にロシアが勝てばヨーロッパの信用はゼロになる」とフランス大統領は感情的に発言した。
マクロンの無謀さは犯罪的だ。全くの嘘と虚栄心に基づいてロシアとの戦争を彼は語っている。
ヨーロッパの信用はゼロになると彼は言っているが、彼が本当に言いたいのは、NATOが支援するキーウのネオナチ政権をロシアが打ち負かした時、彼とNATOの信用はゼロになるということだ。
マクロンは最も危険な類の政治家だ。彼は傷つき、妄想を打ち砕かれた過度の自我を持ち、アメリカ帝国主義の無力な属国で、卑劣な政治的生存に必死なのだ。
エリゼ宮でルイ14世太陽王のようなポーズをとっている虚栄心に満ちたペテン師を、フランス国民は良く知っている。
なんと皮肉なことか。アフリカから追い出され...そして今ヨーロッパで第三次世界大戦を始めようとしているのだ。なんと哀れで犯罪的なことか。
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