冥王星と最大の衛星カロン。
手前は別の衛星。
Illustration courtesy G. Bacon, STScI/ESA/NASA
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バルト海(左)に突き出た、ロシア最西端
の飛び地、カリーニングラード州のサンビアン
半島(青く見えているのが陸地)。
上下に伸びる細長い砂州が、2つの淡水
ラグーン(潟)を形成している。
国際宇宙ステーション(ISS)から撮影された
(8月22日公開)。
上のラグーンはリトアニアとも接するクロ
ニア潟、下はヴィストゥラ潟である。
Photograph courtesy NASA
ナショナルジオグラフィック日本語公式サイト
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日本の小惑星探査機「はやぶさ」がサンプル
採取に成功した小惑星25143イトカワは、岩石
などの衝突によって分裂した、より大きな天体
の破片で形成されているという。
微粒子のサンプルを分析した結果、イトカワの
正体が徐々に明らかになり、初めての科学的
成果が公表された。
イトカワは「ラブルパイル天体(破砕集積体)」
という密度が低い天体で、固い岩石の塊とは違い、
ちりや破片が重力によって集積してできている
ことをはやぶさは証明した。
はやぶさは2003年に日本
の宇宙航空研究開発
機構(JAXA)によって打ち上げられ、2005年
イトカワに到着、昨年の6月に地球へ戻ってきた。
サンプル収集用のカプセルはオーストラリア 内陸
部に届けられたが、探査機本体は超高温に達する
大気圏再突入で燃え尽きている。
サンプル容器からは1500個以上の微粒子が
収集され、国際的な分析作業が進んでいる。
東北大学の惑星科学者、中村智樹氏の研究
チームは、イトカワを構成する岩石が長期間、
摂氏800度以上に熱せられていたことを示
す鉱物的な痕跡を発見した。
一般的に、小惑星は内部に散在する放射性
原子の崩壊によって温度が上昇する。
「直径20キロに満たない小惑星の場合、表面から
熱がすぐに失われるため、800度という高温は
維持できない」と中村氏は説明する。
一方、イトカワの直径はわずか300メートルである。
大きな小惑星の内部が破片となり、再び集まって
形成されたという結論が必然的に導き出される。
◆イトカワを構成する小惑星の破片は熱を受けた
また、イトカワの岩石サンプルの一部からは、
高速の衝撃を受けて部分的に溶けた形跡が見つか
っている。
おそらく、“親”の小惑星を粉々にした天体衝突が
原因だと考えられる。
中村氏は、「一部の微粒子に衝撃の影響で
溶けた部分があり、非常に短い時間だが摂氏
1000度を超える温度にさらされていたことが
わかった」と述べる。
天体衝突の時期はまだ不明だが、早急に
特定したいという。
「衝突した天体の種類についても詳細はわか
っていないが、かなりの確率で別の小惑星だと
考えられる」。
この発見自体にそれほど驚きはないかもしれ
ない。
既存の研究でも、太陽系に散らばる固い岩石
小惑星の多くが、大きな天体の衝突や分離に
よって生じた破片で構成されていることが示され
ている。
「密度が低い小惑星も同じように、衝突と再集合
のプロセスを通じて形成される可能性を示した点
が重要だ」と中村氏は語る。
今回の研究成果は、8月26日発行の「Science」誌
に掲載されている。
Images courtesy JAXA/ISIS
ナショナルジオグラフィック日本語公式サイト
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ハリケーン「アイリーン」がアメリカ本土に
接近中だ。
上陸の日時や場所、強度については今後
修正される可能性があるが、サウスアラバマ
大学沿岸気候調査センターの気象学者キース・
ブラックウェル氏によると、少なくともひとつだけ
確かなのは「危険性が高まっている」ことだと
いう。
その原因の一部は月にあるようだ。
現在の予報によると、アイリーンは今週末、
ノースカロライナ州の大西洋沿岸アウターバンクス
に強い勢力を維持して上陸する可能性が高い。
同州から北東部のニューイングランド地方沿岸
にかけて、すさまじい強風と大規模な洪水が
発生しかねない。
「アウターバンクスを通過して、バージニア州、
デラウェア州、メリーランド州、ニュージャージー州
の沿岸部を北上し、ニューイングランド地方へ
向かうと見られる」とブラックウェル氏は説明する。
ニューヨーク州ロングアイランドでも被害の恐れが
高いという。
しかし、フロリダ州マイアミの国立ハリケーン
センターでハリケーンを研究する
ジャック・ビーベン(Jack Beven)氏は「上陸地点の
予想は、3日間で240キロ近くの誤差が生じる」と
指摘する。
つまり実際の上陸地点は、現在予想されている
進路から東西に大きくずれる可能性もある。
◆大型ハリケーンに発達
バハマ北部を直撃したアイリーンは、現地時間
8月25日午後2時の段階で、時速約21キロで北西に
向かっている。中心部の最大風速は51メートルに達し、
「カテゴリー3」にまで勢力を拡大した。
ハリケーンの強度は、サファ・シンプソン・ハリケーン・
スケールのカテゴリー1~5に分類される。被害予想
の規模に基づいており、カテゴリー3(風速50~58メートル)
以上を大型ハリケーンと呼ぶ。
国立ハリケーンセンターによるとアイリーンは、
26日朝までにカテゴリー4(風速59~69メートル)へ
成長する。
また、アウターバンクスの南端ケープルックアウ
トへ接近するにつれ勢力は弱まるものの、到達する
27日午前から正午の時点でもカテゴリー3の勢力は
維持すると予想されている。
◆原因は月にある?
民間気象予報サービス会社、ウエザー・
アンダーグラウンド(Weather Underground)の気象学者
ジェフ・マスターズ氏は、「アイリーンの上陸は新月
と重なるため、深刻な洪水が危惧される」と警告して
いる。
新月と満月は、太陽と月と地球が一直線に並ぶ。
太陽と月が地球に及ぼす重力が最大になり、潮汐が
大きく動く。
干潮時の水位が通常より低く、満潮時は高くなる
「大潮」が、洪水被害を拡大する。
1日2回の満潮とアイリーンの通過がぶつかると、
大洪水が発生する可能性がある。例えば
ニュージャージー州のアトランティックシティでは、
現地時間28日午後7時~8時が該当すると同氏は言う。
同時に高潮の影響も甚大だ。ハリケーンの強風
で海面が上昇、膨大な量の海水が前へ前へと
押し出されていく。カテゴリー3のハリケーンの上陸
では、潮位が2.7~3.7メートル上昇することもある。
同氏が特に気がかりなのは、北東部
ニュージャージー州の沿岸部だという。
高潮が3メートルを超える可能性もあるが、潮位は
それほど問題ではないと話す。
「ニュージャージーや北隣のニューヨーク州付近に
大型のハリケーンが接近したのは、1985年のグロリア
の直撃以来だ。不慣れで避難経験もほとんどない」。
2011年のハリケーン・シーズンは6月1日から
11月30日まで続く。現時点では直撃を免れているが
、海洋大気庁(NOAA)が5月に行った発表では、
今年は頻発が予想されておりシーズン外の発生
にも備える必要がある。
Image courtesy NOAA
ナショナルジオグラフィック日本語公式サイト
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火星表面に“天窓”のような穴が開き、
太陽光が底に三日月形の影を落として
いる。
NASAの火星探査機マーズ・リコナイサンス・
オービタが最近撮影した。
この陥没穴は溶岩洞の入り口と考え
られている。
流れた溶岩の表面が固まり、内部が流れ
出ることによって形成される抜け殻の
ような空洞である。
“天窓”の直径は35メートル、影から
推計すると深さは約20メートルだという。
Image courtesy U-Arizona/NASA
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冥王星と最大の衛星カロン。
手前は別の衛星。
Illustration courtesy G. Bacon, STScI/ESA/NASA
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August 25, 2011
冥王星が公式に準惑星へ格下げ されてから5年が経過した。 しかし、「惑星」の定義に関する議論 はいまだ収まることがない。 アメリカ、メリーランド州にあるNASA ゴダード宇宙飛行センターの惑星科学 者マーク・クチナー(Marc Kuchner)氏 は、「言葉の意味をめぐる議論にすぎ ないのかもしれないが、細心の注意を 払う必要がある。 これは惑星の定義が変更されたときの 教訓だ」と話す。 があらゆる人から大小の苦情を受けた。 惑星はとても私的な存在だ。 われわれは地球、月、そしてほかの惑星 を自分の“故郷”の一部ととらえている。 だからこそ冥王星の一件で大きな動揺 が起きたのだろう」。 は数々の科学進歩を成し遂げ、この問題 はさらに複雑な様相を呈している。 具体的には、恒星を周回しない惑星の 発見や、太陽系の誕生からの変遷に関す る新たなモデルなどである。 の総会が中国、北京で開催される。 IAUは惑星の定義に関する投票を呼び 掛けた組織で、現在も多くの専門家が 2006年の第26回総会決議5Aを見直す べきか見極めようとしている。 カリフォルニア工科大学の天文学者 マイク・ブラウン氏が、冥王星の属する カイパーベルトで冥王星より大きな天体 を発見したことだった。「2003 UB313」 という仮称が付けられ、第10の惑星に なる可能性も考えられた。 定義を決めることにした。 そして2006年、チェコのプラハでIAUの 総会が開催され、惑星の定義の草案 が投票にかけられた。 内容は以下の通り。 を上回り、静水圧平衡(ほぼ球形)を 保つだけの質量を持つ。 一掃している。 2003 UB313を準惑星と呼ぶことに決定 した。また、準惑星は惑星の下位に属する 存在ではなく、太陽系の天体の新たな カテゴリーとされた。 2003 UB313は後に「エリス」と命名されて いる。 周回軌道の付近からほかの天体を一掃 しているかどうかだろう。 してブラウン氏の指導を受けたクチナー氏 は、この定義は特に主観的だと感じている。 いう。 惑星と呼ぶにふさわしい太陽系の天体の 数は制限されるべきだと考えているためだ。 にあるIAU小惑星センターの所長ティモシー・ スパール氏は、「人間の体には200以上の 骨がある。 医学生が理解しやすくなるからといって、 これらの骨を再定義すべきだろうか」と 疑問を投げ掛ける。 学者を混乱させているという。 「周回軌道の付近からほかの天体を一掃 している」という部分があいまいなためだ。 と考えている。 「恒星を周回する丸い天体。これを基本に したい」。 いう。 陸地がある地球型の惑星、木星型の巨大 ガス惑星、外側にある冥王星型の氷の惑星 である。 「恒星を周回していない“浮遊惑星”用の 分類を設けてもいい」。 冥王星の魅力は不変である。 多くの天文学者にとって、今後も太陽系で 最も研究意欲が湧く天体の一つだろうと スパール氏は語っている。 |
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