19日のアレナ・メヒコ公演の前に妙な動画がアップされていました。それを取り扱った記事がこちら。
記事のタイトルは「マキシモとラ・マスカラがCMLL離脱―ルチャドールのシンジケート、腐敗の巣窟」
動画に映っているのは車を破壊している男たち。
これはマキシモ、マスカラ君、ロビン(素顔)、サイコ・クラウン(素顔、イス持ってる)、アリマニャ(ブラソ・デ・オロの義理の兄弟)と数人の男たちがゲレーロ親分のスポーツカーを破壊している姿でした。動画は金曜の朝にアレナ・メヒコの駐車場で撮られたものだそうです。
このことによって、CMLLはマキシモとマスカラ君を解雇したとのこと。表だって発表はしていませんが、この日のアレナ・メヒコ公演からはマキシモの名前は消えていました。その後の公演からも。
犯行に及んだマキシモたちは所謂アルバラード家の選手たち。シャディド・クルス(ブラソ・デ・オロやポルキーの父親)を筆頭としたルチャドール一家です。そして彼らはルチャ界の政治的な面でも強い力を持っていました。
リンク先のスペル・ルチャスの記事によると、アドルフォ・ボナレス(1915-1933)を中心としたプロのルチャドールのシンジケートが現在のルチャの組合の始まりだそうです。それが1970年代から廃れて来て90年代前半になると、ただの手数料取られるだけの組織みたいになっちゃって、選手たちも所属する意味のないものになってしまいました。
しかし1992年にAAAが創設、その際にフエルサ・ゲレーラがまとめ役となり、AAAは独自の組合を作ったのです。それにならってCMLLでもハケ・マテをリーダーとして組合を作り、パコ・アロンソもそれを容認しました。
ブラソ・デ・オロことヘスス・アルバラードは死去するまでその組合の幹部でした。とは言え多くのルチャドールの中では、あまり評判は良くありませんでした。労働者の権利や雇用主の利益の保護が出来ていない、また利益を正当に使用していないとかで非難されていました。
ブラソ・デ・オロのファミリーは組合のために働いていました。CMLLの従業員曰く、それは会社の組織ではなく、ファミリーの仕事のためだったと。
ブラソ・デ・オロの死去後、新しい幹部は決まっていませんでした。組合の規定によれば、次の幹部はニトロになるはずということですが。
そういった問題にメスを入れたのが、我らがゲレーロ親分ことウルティモ・ゲレーロです。木曜に会合があり、そこにマキシモとマスカラ君も同席していました。そこでのゲレーロ親分の発言がアルバラード家の怒りを引き起こしてしまったのでしょう。
次の日の朝、腕自慢の一族郎党を連れてマキシモたちは親分の車を破壊した、というのがこの事件の流れのようです。結局マキシモたちは組合の幹部どころか、会社自体を追い出されることになってしまいました。ロビンはまだいるみたいですが。
で、まあ私は政治的なことは向こうのお国のことなので言及しませんが、やっぱりメヒコってファミリーの力が強いんだなあと感心したわけです。サイコなんてAAAのトップ選手なのに、連絡があった次の日に駆けつけてるってことでしょ?まあ自分は絶対にAAAから処分されないという自信もあるんでしょうけど(と言うか、全員自分たちの仕業だとバレないと思ってたのかな)。インゴベルナブレっぷりはあくまでリングの中だけでお願いします。
親分には格好良い新車を補償してあげて欲しいですね。そしてCMLLの労働環境が良くなりますように。
マキシモとマスカラ君の今後ですが、AAAが誘うかな?マキシモの奥さんはピラタ・モルガンの一族だしなー。「マキシモ・セクシー」という名前の所有権はCMLLが持っていますが、たぶんマキシモだけなら一般名詞だしOKでしょう。