いちごジャム作り・いちごの品種で味は変わるのか? | ちょっとの工夫でかわいいケーキ

いちごジャム作り・いちごの品種で味は変わるのか?



4月も後半になって、旬のいちごは名残りを迎えています。
いちごが安くなるこれから、おうち時間にいちごジャム作りはいかがでしょうか?

上の写真、実は1年前に撮ったものです。
1年前の1月〜4月にかけて4品種のいちごジャムを作りました。
一度に食べて味くらべをしようというわけです。

私の住んでいる関東で手に入りやすいいちご4種をジャムにしました。


●とちおとめ
●あまおう
●スカイベリー
●ロイヤルクイーン
の4種です。

とちおとめ

関東でいちごというと、まずはこの「とちおとめ」でしょうか。
栃木を代表するいちごです。
やや小ぶりで丸みをおびた円錐形。
果肉はやや硬めで酸味が特徴です。
1996年登録のベテラン品種。


あまおう

西の横綱は「あまおう」でしょうか。
「あ」まい、「ま」るい、「お」おきい、「う」まい。の頭文字を取ってあまおう。
赤い色が濃く、とちおとめよりも丸っこい形が特徴。
とちおとめよりも酸味が少なく甘い印象です。2005年登録品種。


スカイベリー

最近話題の「スカイベリー」
2014年登録、栃木で作られたまだ新しい品種です。
他のいちごより粒が大きく円錐形をしているのが特徴です。
爽やかな酸味と甘みのバランスが良い印象。


ロイヤルクイーン

最後は「ロイヤルクイーン」
これも栃木のまだ新しい品種です。2009年登録品種。 
他のいちごより果実の色が濃く真紅色。
切ると中まで赤いのが特徴です。
果肉が柔らかく輸送に向かないそうで、関東以外ではあまり見ないかもしれません。

これら4種をいちごジャムにしました。
同一品種いちご4パックを洗ってヘタを取り、キッチンペーパーでふきます。
傷んだ箇所をナイフで丁寧に取り除いてホーロー鍋に入れます。なぜホーロー鍋か?→こちら

いちごの40%〜80%量の砂糖をまぶします。
砂糖を少なくするほどいちごの果実味が感じられ、砂糖を多くすると保存性が高まります。


いちごから水分が出てきたら、弱火で煮込みます。
アクを取りながら煮込み、レモン汁を加えます。
レモン汁を加えることでいちごの赤色が鮮やかになります。


ジャムの量が70%くらいに減り、とろっとしたら出来上がり。
どれくらいまで煮詰めたら良いか?
そんな時はコップテストがおすすめです。


コップに水を入れ、鍋の熱いジャムを垂らし入れます。 
落ちた雫が水中で散りながら、ゆっくりゼリー状に固まればOKです。
濃縮が足りないと雫が下まで落ちず、煮詰めすぎると大きな雫になって底に落ちます。

さて、出来上がったジャム4種を食べ比べてみました。


●とちおとめ
いちごの風味が鼻に抜けて、後から酸味、いちごのコクを感じます。
これぞ王道のいちごジャムという感じです。

●あまおう
酸味とともに爽やかないちごの甘みを感じます。
どのジャムも同じ糖度で作っているのに、とちおとめよりも甘味を強く感じます。

●スカイベリー
酸味と甘みを同時に感じます。
他のジャムにはない一体感。とてもバランスの取れたいちごジャムができました。
他の品種よりもベリー独特の風味が強くなく、さっぱりとした味わいのジャム。

●ロイヤルクイーン
 まず濃縮なベリーの風味を感じます。甘みが強い!
やや酸味が弱く、輸入ベリーのような濃いベリー風味。
お菓子のフィリングなどに向きそうな味です。

4種類食べて、私はスカイベリーのジャムが一番気に入りました。

と言ってもスカイベリーはまだ高級品種。
ジャムにするのはもったいないかもしれません。
この時はたしか4月の終わりに特売になっていたスカイベリーで作りました。


いずれの品種にしても思うのは、手作りいちごジャムって市販のジャムより格段においしいということです。

食品メーカー勤務の友人の話によると、大量生産のジャム作りは手作りとは全然違うそう。
熟していない果実も、多少傷んだ果実も一緒に大釜で煮込むとか。
手作りのように丁寧に傷んだ箇所を取り除くなんて不可能だそうです。

これから一番いちごが安くなる季節です。
いちごってまだまだたくさんの品種があります。
近くで手に入るいちごを使って、自家製ならではのいちごジャム作りはいかがでしょうか。


【参考:出典】
■「食品加工実習」 福澤美喜男  筒井知己 編著 2004年 建帛社