合唱団の発声練習というと、声を起こすとか、準備運動的な側面が強いと思います。ですので、中には簡単な曲などを歌って発声練習代わりにするということも時には見られます。


それらを一概に否定するわけではないのですが、何のために発声練習をするのかを今少し掘り下げて考えてみたいと思います。


私が大切にしたいと感じるのは、声を介してメンバーとコミュニケーションを取ることです。同じフレーズでもその日の体調などによってフレージングが微妙に変わります。調子を、「よい」「普通」「悪い」と設定するだけでも1人3段階あります。それが2人3人と増えるだけでもアンサンブルの音は変化します。


大事なことは、「今日は俺は調子悪いけどみんなはよさそうだ」とか、「今日はみんな調子悪そうやけどおいらはよいな」とか、そういうことを感じるということです。


他にも、人は、それぞれ得意とする音域が違います。周りの音を聴きながら、「この音域はこの人に響きを合わせよう」とか「この音域は自分ががんばってリードしよう」とか、そうことを考えるということです。


さらに、合唱ではカデンツのようにハーモニーをつくる発声練習もあります。これは、ユニゾンの応用編と言ってもよく、「ここは根音だからしっかり」とか、「ここは第5音だから根音に乗っかるように」とか、「ここは根音やけどセブンスやナインスも入るから重くなりすぎないように」とか、一人ひとりが、指導者に言われる前に色々考えることが何よりも重要であると思います。


団によっては1時間くらいこれらの発声練習(基礎練習とでも言うべき?)にかけるところもあると耳にしたことがあります。


「なんだ、発声か」と思うのでなく、「今日の発声でどんなサウンドつくろうかな」と思う方が合唱は楽しい!と私は考えます。