仕事帰りの道、前方で小さい子どもの泣き声が響いています。
ベビーカーを覗き込んでいる若いお母さんが見えました。
その子はちょっと癇癪を起こしている様な泣き方でした。
お節介かと思いつつ、ベビーカーに乗っていた2歳位の女の子に
「どうしたの?」と聞いてみた。
わたしの声に我に返ったその子は一瞬で泣き止みこちらを見て、
静かに前方を見つめました。
ほんの少し前まで大泣きしていた我が子が一瞬で泣き止んだ事が
信じられない。と言った若いお母さん。
女の子の目の周りや頬の涙を掌で拭いつつホッとした様子です。
「可愛いですね」と今度はお母さんに言いました。
そうなんです。でも…。
「どんなに可愛い我が子でも、寝顔が一番可愛いと思ってしまう
時ってありますよね?」と自分の経験も込めて言いました。
そうなんです。と答えたお母さんの気持ちが痛いほどわかり、
「毎日大変なのでしょう?」と言ったら、はい。と、即答。
もう少ししたら楽になる。なんて他人事だから言える事で、
渦中にいるお母さんには何の慰めにもなりません。
育児は24時間365日✖️数年間だから大変なのは当たり前。
可愛い我が子だから頑張れるのですが、時には疲れ果てる事も
あるでしょう。
乳児期は何度も起きて授乳しますから体力的には大変ですが、
定型発達の子なら睡眠障害もなく数時間単位で寝てくれるから、
精神的にはそこまで追い詰められないかも知れません。
だけど、自我が芽生える頃の育児は違った大変さがあります。
「泣くのをやめて、お利口だね。ちゃんとわかるんだね」
って女の子に声をかけました。
本当に、さっきまでの大泣きが嘘の様です。とお母さん。
我が子に大泣きされて困り果てていたのでしょう。
そういう不安な気持ちが女の子の癇癪に拍車をかけたのかも
知れませんが、渦中にいる時はそんなものだと思います。
頑張っているお母さんを労って、並んで少し歩いた別れ際、
ありがとうございました。
と笑顔で頭を下げてくれました。
ほんの少しでもラクになれたらいいなぁ〜。
大変な時期はそう長くはないでしょうけど、渦中にいたら大変。
今日を笑顔で過ごせますように…。
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