沼というか、池にアオサギが佇んでいた。激近い。
うわーい、と写真でも撮ろうかと思ったが、いや、待てよ、千歳の件もあるしな、と見合せた。
千歳の件というのは、こういうのであった。
自然の林の中に、何につながってるかわからないが、太いパイプが丸木橋のように横たわっていて、その上に野生生物が4匹、並んでいる。ヤマセミなど珍しいものが、一度に4種類も！
こりゃ奇跡だと思って写真に撮ろうとしたら、あれ？微動だにしない。
良く見るとこれ、つくりもんだったんである。
なにも本物の自然の中に、わざわざこんなことすんなよ！という件があったのだ。
わたしは車窓から、まただまされまいとそのアオサギをじっと見つめてみた。
やっぱり微動だにしない。
つくりもんだ、とその日はその場を離れた。
んで、翌日、また同じとこを通ったら、件のアオサギくんがやっぱりいる。
なんでまたこういう事すんだろ、観光王国の名がすたるというもんではないか、と通りすぎようとしたら…
にょいっ…
あ…脚が…奴の脚が動きよった。
生きとる…生きとるサギだ。
すごい近くなので驚き、きゃっほーと写真に撮りまくった。
しかし何だって昨日と同じ位置に同じポーズで？
君の定位置なのかい、あそこは。
あんときはありがとうな、アオサギくん。
しかし、君、人を騙して喜んでないだろうな。
…アオサギ詐欺。
例によって証拠の写真はないわけだ。
…離婚したから。
どういうオチつけてんだ、わたしは。はは。