こんにちは。BassパートのJun-cchiです。
12/8のクリスマスコンサートまで日にちが迫ってきました。
今日は、ピアニスト渡辺先生がお休みなので、無伴奏でのレッスンでした。
 小濱先生のご指導で印象に残っているのは、①デクレッシェンド(だんだん小さくする)の初めは音量を残し、次の小節で小さくし始める⇒バランスよく音量の変化がとれる。
②「風」と歌い始めるとき、ただの「か」と歌うのか、風をイメージして「か」と歌うのか。
です。
これまでもそうですが、私達は一曲一曲、詩や音楽を表現するために技術的、気持ちの面でご指導いただいてきました。合唱音楽は、合唱とピアニストで協力して表現していくことが大切です。これまでの練習で体現してきたことを自主練習で思い出し、体に染み込ませるようにしていきたいです!歌詞や音の暗譜ではなく、どのように表現していくか、そのためのテクニックの面でも暗譜できるようにしていきたいですね!
アルトのsao-cchiです。先週合唱祭が終わり、今週からは12/8のミニコンサートに向けた練習に入りました。
これからは毎回の練習で、コンサートの曲を通していきます。
以前、合唱祭や交歓会で歌っていた曲も細かいところを忘れていたり、また新たな発見があったりして、先生がよくおっしゃる「やることはいっぱいあるんです」ということを実感しています。
加藤先生の組曲「枇杷の花の祭」でも音の合わせ、ハーモニーの調整、曲想を声でどう表現していくか、など考えることややらねばならないことがたくさんあります。
本番で最高の演奏ができるよう、練習に励んでいきます。
皆様のご来場、心からお待ちしております。

昨日は松戸市合唱祭に出演し、加藤洋太様に作曲いただいた「新美南吉の3つの詩」のうち、「赤狐」「貝殻」の2曲を初演しました。


初めての委嘱作品かつ初演ということで、団員のそれぞれが今までの本番とは違った緊張感を持ちながら本番に臨みました。


同じ曲でも歌い方や表現は団によって異なると思いますが、今回の初演では小濱先生のご指導や渡辺先生のピアノの音色を通じ、団員の一人ひとりが「私たちが表現したい物語」のイメージをしっかり持ち、本番でそれを形にすることができたのではないかと思います。


コール・アマフォークにいたからこそ今回の委嘱作品と出会うことができ、また今の団員と共に歌うことができたことを思い、あらゆるご縁がもたらしてくれた奇跡に、歌いながら胸が熱くなりました。


合唱祭は、作曲者の加藤様が私たちの演奏を聴きに、会場までわざわざお越しくださいました。

作曲者ご本人に初演を聴いていただけるという、とても貴重なひとときとなりました。

ありがとうございました。








【後編】

■3つの詩について
今回私は、合唱組曲の制作のために、大好きな南吉作品の中から「赤狐」「枇杷の花の祭」「貝殻」という3つの詩を選びました。
それぞれの詩について、簡単にではありますがご紹介させてください(私個人の解釈も含まれますことをご容赦ください)。

Ⅰ. 「赤狐」

青い月夜。向かい山の林から赤狐が鳴き、あれがほしい、これがほしいと次々に品物を要求してくるお話です。

知多弁と思しき言葉によって書かれており、赤・青という色彩のコントラストも強く印象に残ります。どこか幻想的な風景です。
ある原稿用紙の裏面に書かれていたという異色作で、同じくきつねが登場する代表作「ごんぎつね」「手袋を買いに」とは一味違った魅力を持つ作品。

II. 「枇杷の花の祭」

枇杷の花にミツバチが集まっている様子を、楽しそうにお祭りしている様子になぞらえて描いた詩です。

枇杷は冬に花を咲かせる木ですが、詩の中に寒々しい表現はなく、むしろほっこりとした温もりが感じられます。
コール・アンド・レスポンス的な反復、柔らかで優しい印象の美しい言葉、擬音の楽しさ。そして身近な小宇宙である自然界をのぞきこむ、童心にあふれた眼差し。南吉氏の作風の特徴が詰まった一作です。

Ⅲ. 「貝殻」

"かなしきときは 貝殻鳴らそ。
二つ合わせて息吹きをこめて。……

誰もその音を きかずとも、
風にかなしく消ゆるとも、……"(抜粋)

非常に有名な詩で、南吉氏の命日「貝殻忌」の由来となっている作品でもあります。

私の中で、この「貝殻」という詩には少し特別な思いがあります。
初めて作品を読んだとき、言葉の向こうに透けて見えてくる心がありました。その心に触れたときに感じたイメージや思いをなんとか音楽で表現して、一人でも多くの方と分かち合えたら......。
そのような衝動に駆られ、「貝殻」は全3曲中で最初に(それも驚くべきスピードで)書き上がった大切な曲なのです。

「枇杷の花の祭」と「赤狐」も、この「貝殻」の曲を前提として書き進めていきました。各曲は、音楽的に連想のように繋がっており、やがて静かな貝殻の浜辺へと自然に導かれていく構成となっています。
組曲全体の重心は終曲「貝殻」に置かれていますが、もちろんどの曲も大変気に入っており自信作です。ぜひ全曲を聴いていただけたら嬉しいです。

■最後に
新美南吉氏による3つの素敵な詩が、私というフィルターを通ったことでどのような音楽作品へ変貌したのか……。

各曲の仕上がりについては、実際に会場でお聴きいただき、体験していただけたらとても幸せに思います。

ぜひとも、混声合唱団 コール・アマフォークの皆様の演奏にご期待ください。

南吉さんの詩、そしてそこから生まれた音楽の世界をお楽しみいただけましたら幸いです。

2024 年 10 月 27日 作曲者 加藤 洋太
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