下の子が生まれてから、母校(大学)の夏休み期間中、自主練に何回もお邪魔しました。7回ぐらい。
このOB平日昼間に練習来てるけど働いてないんかな?
って思われてたに違いありません。
まあ、働いてないんですけど。
家の近所、不特定の人間のサーブレシーブを受けられる、練習時間帯が日中、と非常に望ましい練習環境でした。
交代制の課題練か、ゲーム練をし続けていた訳ですが、「アドバイスください」と言われた子と話していると、ほぼほぼ全員に共通していたのが、
そもそも何練習したらいいんかわからんす
何をどう考えたらいいんすか
という問いでした。
わかる!
わかるぞ!!
何からやってええやらわからんという気持ちがわかるぞ!!!
つまり
「頭使って卓球しろ」と言われましても!
頭の使い方を具体的に習ってないんすけど?????
ってことでしょう。少なくとも僕はずっっっとそう思ってました。
僕も無駄に回る頭で卓球のことを無駄に考えて、考えてるベクトルの向きがそもそも全く明後日の方向過ぎて、訳の分からん方面で無駄に何十周も回り道して、そこ全く卓球の大事なところちゃうでって部分をひたすら耕してきた自負があります。
僕は今まで卓球に関してだけ、頭の回転数が1/5以下になってるんやと思っていましたが、実際は頭使うポイントが完全にズレていたり、考える上でのそもそもの前提がいくつも抜け落ちていたり、特定の場面で生じる思考のバグにハマっていたり…と数々の欠陥を抱えていました。
出力のベクトルを間違えまくってるから卓球に有用な使い方ができていない。
僕も既に大学の時に自分の欠陥を理解して克服していたら、そもそもここまで拗らせて卓球続けてなかった可能性も高いわけですが…
と、複数名の後輩達が、確実に僕のいつか来た道を同じように彷徨っているのを見て、色んなもどかしい思いがあり。
しかし全て話そうとし出すとそれだけで1飲み会分の尺が必要になりそうなんですが、そうするとただただ2倍ぐらい生きてるOBの厄介な教えたがりおじさんになってしまうため、ここで発散・昇華して思いを供養しようと思います。
現在、ネット上には卓球の情報が溢れ返っていて、特に技術・戦術の情報なんて玉石混交、選り取り見取りです。
考え方系の発信もありますし、有料の書籍・動画もあります。
目立つものほぼほぼ全てに目を通して思うのは、
- 現状、「『卓球の考え方』の考え方」が全くわからず拗らせそうになっている人間にリーチするような情報は、少なくともネット上には出回っていない
- ネット上に出回る全てを繋ぎ合わせてパッケージにすれば何とかなりそうなものは断片的に存在しているが、最初から繋ぎ合わせられるんやったらそもそも拗らせていない
- 総じて、理解力だけはあるが卓球に必要な色んな前提が抜け落ちたまま生きてる「俺ら」のような人間のつまづきっぷりに寄り添ってくれるレベルのものがない
そもそも何練習したらいいんかわからん
何をどう考えたらいいんすか
- 中学部活始めで5~6年ぐらいは卓球続けてきているので基本打法はある程度身についているが
- 特に目立つような戦績もなく
- 時間とやる気と多少回る頭だけはあるが
- 何から手をつけていいやら全く分からない
- なんか今日は調子悪いな、なんか今日は調子良いな…の繰り返しで、経験値を効率よく積めている気がしない
- このまま漫然と練習を続けていても、強くなるのかどうか、いまいちビジョンが見えない人
- そいつが卓球強いこと
- 上達の仕方をなんとなくではなく、頭で理解していること
- それを理解していない人間にも説明できるだけの言語化能力があること
目次としては
-
ラリーの出口を決める
-
出口から逆算してラリーの入口までを決める
-
1,2をベースに大枠の自分の行動プログラムを決める
-
試合を振り返って課題を分析する
- 課題解決の優先順位を考える
-
練習メニューを考えて実行し、試す
実は見た目以上にめちゃくちゃキレてるツッツキだけで得点を量産しているなど、派手な技術ではない可能性も大いにあります。
自分の試合を見返して、客観的に自分の得点源を知る必要があります。
自分のことを客観視できない場合は人から意見を聞くのもいいですが、とりあえず自分と同レベル帯の人との2~3試合を撮影して、自分の得点したラリーの最後、自分が何の技術を使用していたかを単純に数えあげてみたら、かなり客観的に得点源が分かるかと思います。
当然、いろんな技術で得点していると思うので、フィニッシュブローは1つに限りません。明らかに偏っているものを2つ3つ見つけると良いかも知れません。
なお、「俺の得点源は自慢のフォアドライブ!」という人は多いと思いますが、フォアドライブはあまりに汎用性の高い技術で、いろんな場面で使用しています。
そのため漠然と「フォアドライブ」と捉えてしまうと、自分の出口戦略を決めるのには少し大味で、後々のメニュー決定時に解像度不足になり得ます。
もう少し「どういう場面でのどういうドライブが得点になっているか」を絞った方が良いかも知れません。
例えば
- B側に来た下回転に対する回り込み一発ドライブ
- F側半面に来た上回転に対する打点の早いカウンタードライブ
- F側に来た下回転に対するストレートへの激チョリループ
- バックブロックが得意で、相手を振り回しつつ粘ってミスさせているタイプ
- 相手の持ち上げたドライブを高精度フォアカウンターで決めるタイプ
- 上回転のラリーにする
- バック半面か、少なくとも台のバック2/3ぐらいにはボールが集まるようにする
- 上回転ラリーにするため、ロングサーブがメイン。それもナックルか上回転系。レシーブも長く、できればツッツキ返されないよう上回転にして返すのがセオリー
- 右対右であれば、自分のF側に返球し辛くするため、相手のB側厳しめにボールを集める
- 相手に強ドライブではないドライブを打たせる
- そのドライブがなるべくF側に集まるようにする
- 右対右であれば、厳しめのツッツキをF側に長く送る(Fクロスにループドライブが返ってきやすいように)
- 相手のF側厳しいコースにドライブを打つ(Fクロスに返ってきやすいように。逆に相手に十分な体勢で強ドライブやカウンターを打たれないように)
- 厳しめツッツキを送るため、ラリーの序盤が下回転の台上プレイになるよう、サーブは縦回転系ショートサーブ中心とする。
- レシーブは相手がストップかツッツキを選択しやすいよう、こちらもストップ中心とする。ロングサーブが来たらめちゃくちゃ切って返すか普通にドライブする。