【雑記】考え方の考え方 課題・練習メニュー・点の取り方 1/3 | 働くカットマンのチラ裏卓球ブログ

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 下の子が生まれてから、母校(大学)の夏休み期間中、自主練に何回もお邪魔しました。7回ぐらい。

 

 このOB平日昼間に練習来てるけど働いてないんかな?

 

 って思われてたに違いありません。

 まあ、働いてないんですけど。

 

 

 家の近所、不特定の人間のサーブレシーブを受けられる、練習時間帯が日中、と非常に望ましい練習環境でした。

 

 

 交代制の課題練か、ゲーム練をし続けていた訳ですが、「アドバイスください」と言われた子と話していると、ほぼほぼ全員に共通していたのが、

 

 そもそも何練習したらいいんかわからんす

 何をどう考えたらいいんすか

 

 という問いでした。

 

 

 わかる!

 

 わかるぞ!!

 

 何からやってええやらわからんという気持ちがわかるぞ!!!

 

 

 

 つまり

「頭使って卓球しろ」と言われましても!

頭の使い方を具体的に習ってないんすけど?????

 ってことでしょう。少なくとも僕はずっっっとそう思ってました。

 

 

 僕も無駄に回る頭で卓球のことを無駄に考えて、考えてるベクトルの向きがそもそも全く明後日の方向過ぎて、訳の分からん方面で無駄に何十周も回り道して、そこ全く卓球の大事なところちゃうでって部分をひたすら耕してきた自負があります。

 

 僕は今まで卓球に関してだけ、頭の回転数が1/5以下になってるんやと思っていましたが、実際は頭使うポイントが完全にズレていたり、考える上でのそもそもの前提がいくつも抜け落ちていたり、特定の場面で生じる思考のバグにハマっていたり…と数々の欠陥を抱えていました。

 

 出力のベクトルを間違えまくってるから卓球に有用な使い方ができていない。

 

 

 僕も既に大学の時に自分の欠陥を理解して克服していたら、そもそもここまで拗らせて卓球続けてなかった可能性も高いわけですが…

 

 

 

 と、複数名の後輩達が、確実に僕のいつか来た道を同じように彷徨っているのを見て、色んなもどかしい思いがあり。

 

 しかし全て話そうとし出すとそれだけで1飲み会分の尺が必要になりそうなんですが、そうするとただただ2倍ぐらい生きてるOBの厄介な教えたがりおじさんになってしまうため、ここで発散・昇華して思いを供養しようと思います。

 

 

 

 現在、ネット上には卓球の情報が溢れ返っていて、特に技術・戦術の情報なんて玉石混交、選り取り見取りです。

 

 考え方系の発信もありますし、有料の書籍・動画もあります。

 

 

 目立つものほぼほぼ全てに目を通して思うのは、

  • 現状、「『卓球の考え方』の考え方」が全くわからず拗らせそうになっている人間にリーチするような情報は、少なくともネット上には出回っていない
  • ネット上に出回る全てを繋ぎ合わせてパッケージにすれば何とかなりそうなものは断片的に存在しているが、最初から繋ぎ合わせられるんやったらそもそも拗らせていない
  • 総じて、理解力だけはあるが卓球に必要な色んな前提が抜け落ちたまま生きてる「俺ら」のような人間のつまづきっぷりに寄り添ってくれるレベルのものがない
 という状況があります。
 
 
 解答無し問題集か、テクニカルな解き方集か、模範解答だけ載せて解説のない解答集だけが転がってるみたいな感じ。
 基礎レベルの問題の解き方解説の載った参考書が全くない感じ。
 
 超応用問題の解説はあるんやけど、こちらは連立方程式でまず即つまづいてますんで、そこから詳細に小学生にも分かるレベルでお願いできますか??
 という感じ。
 
 
 大人しく金払って誰かプロコーチに教えてもらえ、という話ですが、プロ側はプロ側で「考え方の考え方」まで完璧に言語化して教えてくれる人間というのは稀です(こういうことを欲している層にリーチしようとしてもなかなか売り上げに繋がらないから、優先順位の高いスキルとならないのでしゃーない説)。
 
 多分全てを教わるまでに結構時間と金がかかります。
 
 
 
 ということで、冒頭の

 そもそも何練習したらいいんかわからん

 何をどう考えたらいいんすか

 という思いを持つ迷い人に向けて、なるべく体系的につらつらと書いていきたいと思います。
 
 
 
 対象者層(レベル)は、
  • 中学部活始めで5~6年ぐらいは卓球続けてきているので基本打法はある程度身についているが
  • 特に目立つような戦績もなく
  • 時間とやる気と多少回る頭だけはあるが
  • 何から手をつけていいやら全く分からない
  • なんか今日は調子悪いな、なんか今日は調子良いな…の繰り返しで、経験値を効率よく積めている気がしない
  • このまま漫然と練習を続けていても、強くなるのかどうか、いまいちビジョンが見えない人
 です。よう、僕。
 
 
 なお、その辺の強い子を捕まえて聞いても、
  • そいつが卓球強いこと
  • 上達の仕方をなんとなくではなく、頭で理解していること
  • それを理解していない人間にも説明できるだけの言語化能力があること
 これらは全く別次元の話です。
 
 どの業界も翻訳し、要約して説明できる人間が必要やなと感じます。
 
 
 勝つために何を練習すればよいのか?それを明確化することを目的として、
 

 目次としては

  1. ラリーの出口を決める

  2. 出口から逆算してラリーの入口までを決める

  3. 1,2をベースに大枠の自分の行動プログラムを決める

  4. 試合を振り返って課題を分析する

  5. 課題解決の優先順位を考える
  6. 練習メニューを考えて実行し、試す

 となります。
 
 
【1 ラリーの出口を決める】
 
 まず「何を練習すればよいか」の優先順位を明確にするための大前提としては、「いかに相手から点数を取るか」を決めないといけません。
 
 これが定まらなければ、課題や練習した方がいいことなんて無限にあるので、効果的であろう練習メニューが分かったとしても、どれから優先順位づけができず、何から手をつけていいやら分からなくなります。
 
 
 しかしここから既に躓きやすいポイントです。
 
 だって、ここ躓きやすいよって誰も言うてくれませんやん。
 僕が悪いんやない。日本の教育が悪い。社会のせい。
 
 

 

 さて、いかに相手から点数を取るかとは、いわゆる「戦型」というかなり大雑把な枠組より、もう少し詳細に自分を見つめて設計する必要があります。

 

 
 そこでまず取っ掛かりとして、自分の試合を通じて、最終的な得点時に使用している、結果としてラリーのフィニッシュブローの選択肢によくなっている技術は何か?を考えます。
 
 
 僕で言えば、フォアのスマッシュorドライブもしくはバックカットでしょうか。ドライブが決定打と成り得るようになったのは最近で、もう少し前なら基本スマッシュかバックカットでした。
 
 
 フィニッシュブローが何か?は、当然人によって違います。
 
 安定感のある固いブロックかも知れないし、強烈に回転のかかったバックのループドライブかも知れません。

 

 実は見た目以上にめちゃくちゃキレてるツッツキだけで得点を量産しているなど、派手な技術ではない可能性も大いにあります。

 

 

 自分の試合を見返して、客観的に自分の得点源を知る必要があります。

 

 自分のことを客観視できない場合は人から意見を聞くのもいいですが、とりあえず自分と同レベル帯の人との2~3試合を撮影して、自分の得点したラリーの最後、自分が何の技術を使用していたかを単純に数えあげてみたら、かなり客観的に得点源が分かるかと思います。

 

 当然、いろんな技術で得点していると思うので、フィニッシュブローは1つに限りません。明らかに偏っているものを2つ3つ見つけると良いかも知れません。

 

 

 なお、「俺の得点源は自慢のフォアドライブ!」という人は多いと思いますが、フォアドライブはあまりに汎用性の高い技術で、いろんな場面で使用しています。

 

 そのため漠然と「フォアドライブ」と捉えてしまうと、自分の出口戦略を決めるのには少し大味で、後々のメニュー決定時に解像度不足になり得ます。

 

 もう少し「どういう場面でのどういうドライブが得点になっているか」を絞った方が良いかも知れません。

 

 

 例えば

  • B側に来た下回転に対する回り込み一発ドライブ
  • F側半面に来た上回転に対する打点の早いカウンタードライブ
  • F側に来た下回転に対するストレートへの激チョリループ
 といった具合です。
 
 
 こうして考えて、自分の得点源になっている技術だと分かったものが、ラリーの出口とすべきものになります。
 
 
【2 出口から逆算してラリーの入口までを決める】
 
 前項で「明らかに自分がこの技術で最終的に得点している」というものを数え上げた結果、それが明らかな自分の武器と言えます。
 
 次はその武器をもっと使えるようなラリー展開にするために、ラリーの入口であるサーブ・レシーブから順に考えていき、出口まで繋げます。
 
 
 ここではラリーの出口の具体例として、
  1. バックブロックが得意で、相手を振り回しつつ粘ってミスさせているタイプ
  2. 相手の持ち上げたドライブを高精度フォアカウンターで決めるタイプ
 の2例について、ざっくりで考えたいと思います。
 
 
 1のタイプは、とにかくバックブロックを使える展開が増えるように入口を決めていきます。
 
 バックブロックを使うためには
  • 上回転のラリーにする
  • バック半面か、少なくとも台のバック2/3ぐらいにはボールが集まるようにする
 と考えていきます。
 
 この条件を満たすには、
  • 上回転ラリーにするため、ロングサーブがメイン。それもナックルか上回転系。レシーブも長く、できればツッツキ返されないよう上回転にして返すのがセオリー
  • 右対右であれば、自分のF側に返球し辛くするため、相手のB側厳しめにボールを集める
  というのが大体の方針になります。
 
 自ずと自分が出すサーブの選び方、レシーブやラリーの組み立て方の「あるべき論」が決まっていきます。
 
 実際の自分の試合中の行動と乖離してしまっているケースもあると思います。それは伸びしろです。
 
 
 2のタイプも同様に考えていきます。
 
 フォアカウンターを使うためには、
  • 相手に強ドライブではないドライブを打たせる
  • そのドライブがなるべくF側に集まるようにする
 と考えていきます。
 例外がいっぱい頭に浮かぶと思いますが、まだ先の話です。
 
 この条件を満たすには、例えば
  • 右対右であれば、厳しめのツッツキをF側に長く送る(Fクロスにループドライブが返ってきやすいように)
  • 相手のF側厳しいコースにドライブを打つ(Fクロスに返ってきやすいように。逆に相手に十分な体勢で強ドライブやカウンターを打たれないように)
 となります。
 
 
 ちょっとまだフォアカウンターを打つための1球前をどうしたらいいかって話なので、もっと遡っていきます。
  • 厳しめツッツキを送るため、ラリーの序盤が下回転の台上プレイになるよう、サーブは縦回転系ショートサーブ中心とする。
  • レシーブは相手がストップかツッツキを選択しやすいよう、こちらもストップ中心とする。ロングサーブが来たらめちゃくちゃ切って返すか普通にドライブする。
 いやしかし台上の短い球に対してチキータとか台上BDされたらどないすんねん!
 という声が聞こえてきそうです。
 
 対戦相手が馬龍だった時のことを考えるのは辞めて、身の丈にあった想定をしましょう。
 
 ということで、あくまで脳内の対戦相手の想定レベルは「自分と同等か、それよりちょっと強い人ぐらい」または「現実的に勝ちたいレベルの相手」に設定します。
 
 一足飛びに自分とあまりにも掛け離れたレベルの対戦相手を想定しても、また練習の優先順位がボヤけるだけです。
 
 
 …と、ここまでで、とりあえず得意のバックブロックやフォアカウンターの活かし方が見えてきそうです。
 
 
 
 長いので分けます。