前回記事の続きです。なんか久々ですね。
疑問・質問の順番はめちゃくちゃ前後しています。
聞けば聞くほど、今まで自分が何となくこうちゃうか、でも原理が分からん…と思っていたことや、上級者や先輩の言葉を信じてたけどちゃうんかいってこと、僕自身も感覚的に信じてたのに事実とは異なること…が出てきて、質問が溢れんばかりです。
もうちょっとこの熱を他のことに向けていたら良かったのにと思わないでもないです😇
【「球持ち」は幻想】
https://jtta-coach.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/pdf/investigation_c/21_18.pdf
こちらによると(3p目の10行目 >その場合、ボールとラバーの接触期間(約1/1000 秒程度)中の滑り摩擦は…)、と実際に測定値が出されています。
格ゲーとかだと、プロレベルは1/60秒のズレを体感するみたいですが、さすがに1/1000秒になってくるととてもじゃないけど知覚できない。
これが仮に2倍3倍になったとて…
「球持ち」を感じてしまうのは、打球後のラケットの振動(打球感)や、射出方向の違いなどをミックスした錯覚。
例えば表ラバーで薄く捉えてツッツキしようとしても、「球持ち悪く飛んでいく」と感じるのは、裏ラバーと比較して単純に回転がかからず、裏ラバーよりスイング方向と射出角度に乖離が出るから。
- 球持ち、打球感は幻想
- 重量によって球に押されたり押されにくいこともない
この測定試験は全力すなわち100%での比較なので、出力は固定されていますが、実際の試合では時間的猶予の無さや、心理状態などから50%~80%ぐらいの間(体感です)で出力は変動しますから、多少出力がブレても自分にとってちょうど良い具合に反発してくれる、その中で軽めのラケットを探すのが良いのだと思います。
そう考えるとあまり深く悩まなくて済みそうです🤔
僕も大人しくさらにもうちょい弾み抑えたラケット買うか…
こういうことを用具マニアな人に言っても、あまり意味は無さそうだと思ったりします(宗教否定になってしまうので)
【回転かけられる奴はコントロール面でも強い】
これは体感でも一致する話です。
ちょっと話が戻りますが、回転を強くかけられると、スイング方向と球の射出角度との乖離が少なくなります。
つまり、薄く捉えて回転を強くかけられる人は、相手の回転によって射出角度が狂う影響を軽減できるということ。
レシーブでよく分からんサーブが来たらとにかく切ったツッツキで返す原理ですね。
カットではなくドライブの場合、仮に球速が同じで回転だけが強くなるなら弧線も出るのでさらに安定します。(※薄く捉えることで球速が弱まっても弧線が出ます)
ただ薄く捉えるということそのものが打球タイミングや面・スイング角度などの条件がシビアで、その難易度を加味した安定性とか言い出すと複雑になり過ぎます。
回転を扱えると強いのは言うまでもないですね…
それが難しいからこっちは苦労してるんですけど😇😇
【「相手の球威に負ける」は多義語過ぎる】
これもよくある感覚フレーズです。
「球威のある球」とは多分スピード×回転の積が高い球だということで一致するのではないでしょうか。
で、「球威に負ける」とはあらゆる場面でのミス要因として挙げられるんですけど、とりあえずすごいボールを受けてミスったら「球威に負けた」と言っておけばOKな万能ワードでもあります。
相手のドライブやスマッシュに対して使われますが、ブチ抜かれた時に言うのではなく、ラケットには当たった時に使用されます。
その相手のすごい球を自分がブロックする時にも使用されますが、カウンターの場面で特に使用されるケースが多いように思います。
実際、球威といっても球の重さ自体は2.7gなのでラケット面が押されて「負ける」ことはなく、無視できる程度(前述)。
ではミスった原因は
- ドライブの回転が想像以上に強すぎてオーバーミスした
- ドライブの回転が想像以上に強すぎてイレギュラーしたので面が狂った
- ドライブが速過ぎて当たったけど面が狂った
【「身体で打つ」「下半身で打つ」はガチ】
まずは↑を見てください。
ちなみにこれまで度々引用しているのは、JTTA指導者養成委員会というサイトにある、
コラムの医科学のところに掲載されている論文ですとか解説文です。
見つけたのではなく教えてもらって存在を認識したのですが、めっちゃ面白いです。笑 興味深いという意味で。
で、ここのコラムによると、(めちゃくちゃ乱暴に表現しますが)上級者がドライブでスイングスピードを得るために用いる筋肉のうち、寄与度が高いのは利き腕ではなく、圧倒的に下半身であり、その次に体幹まわりだということ…
肩から先の利き腕部分の寄与度は、たった12%…。
え、12%ってマジ…😇?
ただし利き腕が役立たずかというとそうではなく、スイングスピードを得るための筋力的な寄与度としては低いが、関節を使って下半身や体幹で発生した力をスムーズに伝達する役割部分での貢献が大きい、とのことで。
そもそもよく考えると、2.7gの物体をラケットで捉えるのに、人を骨折させる気概で殴る時のような力は、確かに不必要です🤔
それより(猶予がある限り)全身を使って、とにかくラケット速度を高めることに執心する方が良い(゚ロ゚*)
と言ってもこれをいざ試合でやるとなると身体のクセが邪魔してすぐにはできないんですけど😇
よく「下回転は重いから力が要る」みたいな表現がありますが、実際には重たいものを持ち上げるような類の力が必要なのではなくて(だって2.7gだから)、回転の影響で下に落ちるしボールもゆっくり飛んでくることが多いから、スイングスピードが必要なだけ。
ボールが重たくてそれを持ち上げる筋力がいるのではなく、さらに早いスイングスピードを得るために全身の筋肉を使う必要が生じるだけ。
全ては可能な限りスイングスピードを高めるためにどうすれば良いのか
(かつ、何が何でも全身を使おうとすると不安定になるのでどう折り合いをつけるか)
その辺が大事なんやな…と思った次第です。
【蛇足】
他にも事実とは異なる感覚フレーズの話や、もうちょいエグイ話もあったのですが、競技的な性質の話から若干ズレるので割愛。
しかしこれで思ったこと、再認識したことは、
身体感覚で表現できることと、何が起こっているかを正確に認識すること、さらにそれを言語化できること…とは全く別ベクトルの話なんやな、ということですね🤔
結果正しければ、いくら理屈と違ってようが、必要ないですからね。
身近に体育館に言語化能力を置き忘れてきたような卓球の権化がいますが、僕の卓球への理解が少し追いついたのか、ヤツが社会に揉まれて言語化能力を獲得したのか、最近ようやく僕に分かるレベルで卓球のことを話してくれるようになりました。笑
ヤツは言語化能力だけが異常に乏しかっただけで、どうやら何が起きているかの事象認識はめちゃくちゃ高精度っぽく、そこでも僕とのレベル差を感じました😇
まぁそれは置いといて、ジュニアを指導する時など、今回の記事のような話なんてほぼ必要ないと思います。
(もちろん部分的に必要なところはあると思いますが)
さすがにちっちゃい子には分からん。笑
今の理解をもって僕にゴールデンエイジが再来しないかと妄想しますが、叶うはずも無いので、大人しく細々と練習しようと思います😇😇😇