【雑記/用具?】ラケットが重ければ押されない? 似非科学っぽい卓球の疑問を聞き倒してみた その2 | 働くカットマンのチラ裏卓球ブログ

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【現在の使用用具】
ラケット:ビオンセロ (特注グリップ/ニッタク)
F面:ディグニクス09C (特厚/バタフライ)
B面:バーティカル20 (特薄/STIGA)

 前回記事の続きです。なんか久々ですね。

 

 

 疑問・質問の順番はめちゃくちゃ前後しています。

 

 聞けば聞くほど、今まで自分が何となくこうちゃうか、でも原理が分からん…と思っていたことや、上級者や先輩の言葉を信じてたけどちゃうんかいってこと、僕自身も感覚的に信じてたのに事実とは異なること…が出てきて、質問が溢れんばかりです。

 

 もうちょっとこの熱を他のことに向けていたら良かったのにと思わないでもないです😇

 

 

【「球持ち」は幻想】

 これは昨今チラチラ聞くようになった気がします。
 
 事実とは異なるけど、感覚的で分かりやすいフレーズとして使われるケースも多いとは思います。
 
 てか僕も散々使ってます😇😇😇
 
 
 前回記事でも引用しましたが、

https://jtta-coach.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/pdf/investigation_c/21_18.pdf

 こちらによると(3p目の10行目 >その場合、ボールとラバーの接触期間(約1/1000 秒程度)中の滑り摩擦は…)、と実際に測定値が出されています。

 

 格ゲーとかだと、プロレベルは1/60秒のズレを体感するみたいですが、さすがに1/1000秒になってくるととてもじゃないけど知覚できない。

 

 これが仮に2倍3倍になったとて…

 

 

 「球持ち」を感じてしまうのは、打球後のラケットの振動(打球感)や、射出方向の違いなどをミックスした錯覚。

 

 例えば表ラバーで薄く捉えてツッツキしようとしても、「球持ち悪く飛んでいく」と感じるのは、裏ラバーと比較して単純に回転がかからず、裏ラバーよりスイング方向と射出角度に乖離が出るから。

 

 (表ラバーってパパっと表現するの難しい🤔)

 

 
 
 えてして、回転が掛からず飛んでいくことを接触時間が短いと錯覚して、「球持ちが悪い」と表現しがちです。
 
 あとは単に反発が強くて勢いよく飛んでいくことを指すことも。
 
 
 よくある「球を長く持ってゆっくり運ぶ」というのは、感覚的に言われて何となくやってるんですが、本当に接触時間を長く持っているのではなく、
 
 スイングスピードを遅くして反発を弱めたり、
 
 ラケット角度を水平に近くして、薄く捉えることで反発を弱めたり、
 
 また、薄く捉えることで回転を上げたり。。。
 
 と、これらの複合的な現象だったりします。
 
 
 多くはインパクト直後に得られる余韻(ラケットの振動)を指して、「球持ちが良い」とか「悪い」とか錯覚するのだと。
 
 
 「打球感」も似たような言葉ですね。
 
 打球の瞬間の感覚ではなく、打球「後」のラケットの振動から得られる感覚の話。
 
 もちろん同じラケットを使っている場合なら、打球が安定するほど打球直後の「打球感」も似通ったものになってきますから、全く無意味なものではないですが、
 
 異なるラケットを試打した時に、「このラケットは打球感が良い、悪い」というのは、本質的にはあまり意味が無い…と。
 
 
 直感に反することが多いですが、実際には、起きている現象を正しく言語化せずとも、感覚で伝わった結果として、正しい動作になれば指導としてはそれで良さそうです🤔
 
 あくまでこれは自己満足です😇
 
 
【「ラケットが軽くて押される」は幻想】
 よく聞くフレーズです。
 僕もこれを言うことで上級者っぽく振舞おうとしてみたりして。
 
 でも感覚的には何となくそんな気もする…。
 
 
 が、これも事実だけを冷静に見ると、何らかの錯覚だという結論になります。
 
 
 ピン球は2.7gで野球ボールやテニス球と比べても無視できるほどに軽く、
 
 ラバーとピン球との接触時間は0.001秒程度(前述)。
 
 
 まず2.7g如きの物体に押されるはずがない、という現実
 
 また、仮に本当にピン球に押されたとして、ほんの0.001秒間で、もし台に収まらない程の角度でラケット面がブレるのだとしたら…
 
 角度がたった1度ブレるのだとしても、超高速で面がブレているということになり、1秒後には慣性でラケットごと手首がもげます。
 
 よく考えれば分かるんですが、直感・体感が理解を阻害します。笑
 
 
 なぜラケット重量が重いと面がブレないと感じるのか…ですが、
 
 ブロックなどの面を大きく動かさないような技術で特に言われる(感じる)ことから推論すると、
 
 単純にラケットが多少重いと、ゼロ状態から動かすのに軽いラケットよりはちょっと力が必要だからだとか、
 
 ラケットが重いと、軽いよりは多少力むので、手首が固定されやすい(?)とか、
 
 マジでただの思い込みによる錯覚だとか
 
 そんなところだと思います。知らんけど…。
 
 ※追伸
 卓球王国の2022年8月号で、力学的な見地を基に、ちょーーーどラケットが軽いと少し押されるという趣旨の記述がありました。
 これは、重いラケットと軽いラケットがピン球から受ける影響を比較する実験の条件が、空中にぶら下がった状態のラケットで想定されており、競技時に実際に手で握っている状態を想定するのとは大きく異なるので、そのまま「やっぱ重いと押されにくいねんな~」とは受け取れないなぁと思っています🤔
 
 手で握っている場合、ラケットの重さに少なくとも掌や手首周りぐらいまでの重さは考慮すべき(どこまでの重さが影響するのかは自信ない😇)なので、ラケット重量よりよっぽど掌回りの方が重く、影響は限定的なはずです🤔
 
 ここ、気になるから直接聞いてみたい。笑
 
 
【ラケットで大切なのは本質的には反発力と重さだけ】
  • 球持ち、打球感は幻想
  • 重量によって球に押されたり押されにくいこともない
 以上を踏まえると、じゃあラケットってどれだけ反発するかと、重さだけ気にしたらええやん、となります。
 (打球感が心地よいと精神的にアガる とかは置いといて)
 
 あとは自分の掌にフィットするかどうかという意味で、グリップ形状も大事でしょうか。
 
 そういう意味では板厚も意味があるのかも知れません。(グリップのフィット感を構成する一要素という意味だけで、それ以外に意味はない)
 
 
 が、仮に反発力その他の条件が全く一緒で、重さだけが違うラケットがあったとしたら、軽い方が操作性に優れるので良いんでしょうね。
 
 
 実際には同種のラケットで重いものほど、反発が強い傾向があるそうなので、諸条件を揃えて論じることは現実的ではないのかも知れませんが。
 
 昔、前代ラケットより10g以上軽い旧松下プロモデルを使用した時、ボールが吹っ飛んでったことがあったのですが、あれは何だったんだろうか…同じスイングをしているつもりが軽いために振り抜き過ぎたのかも知れません🤔
(似非科学っぽいので修正してほしいポイント)
 
 なお、選手が全力フルスイングをかます場合には、ラケット重量とスイングスピードには有意差が無いという測定結果があるようです。
 

 この測定試験は全力すなわち100%での比較なので、出力は固定されていますが、実際の試合では時間的猶予の無さや、心理状態などから50%~80%ぐらいの間(体感です)で出力は変動しますから、多少出力がブレても自分にとってちょうど良い具合に反発してくれる、その中で軽めのラケットを探すのが良いのだと思います。

 

 

 そう考えるとあまり深く悩まなくて済みそうです🤔

 

 僕も大人しくさらにもうちょい弾み抑えたラケット買うか…

 

 

 こういうことを用具マニアな人に言っても、あまり意味は無さそうだと思ったりします(宗教否定になってしまうので)

 

 

【回転かけられる奴はコントロール面でも強い】

 これは体感でも一致する話です。

 

 ちょっと話が戻りますが、回転を強くかけられると、スイング方向と球の射出角度との乖離が少なくなります。

 

 つまり、薄く捉えて回転を強くかけられる人は、相手の回転によって射出角度が狂う影響を軽減できるということ。

 

 レシーブでよく分からんサーブが来たらとにかく切ったツッツキで返す原理ですね。

 

 カットではなくドライブの場合、仮に球速が同じで回転だけが強くなるなら弧線も出るのでさらに安定します。(※薄く捉えることで球速が弱まっても弧線が出ます)

 

 

 ただ薄く捉えるということそのものが打球タイミングや面・スイング角度などの条件がシビアで、その難易度を加味した安定性とか言い出すと複雑になり過ぎます。

 

 

 回転を扱えると強いのは言うまでもないですね…

 それが難しいからこっちは苦労してるんですけど😇😇

 

 

【「相手の球威に負ける」は多義語過ぎる】

 これもよくある感覚フレーズです。

 

 「球威のある球」とは多分スピード×回転の積が高い球だということで一致するのではないでしょうか。

 

 で、「球威に負ける」とはあらゆる場面でのミス要因として挙げられるんですけど、とりあえずすごいボールを受けてミスったら「球威に負けた」と言っておけばOKな万能ワードでもあります。

 

 相手のドライブやスマッシュに対して使われますが、ブチ抜かれた時に言うのではなく、ラケットには当たった時に使用されます。

 

 その相手のすごい球を自分がブロックする時にも使用されますが、カウンターの場面で特に使用されるケースが多いように思います。

 

 実際、球威といっても球の重さ自体は2.7gなのでラケット面が押されて「負ける」ことはなく、無視できる程度(前述)。

 

 ではミスった原因は

  • ドライブの回転が想像以上に強すぎてオーバーミスした
  • ドライブの回転が想像以上に強すぎてイレギュラーしたので面が狂った
  • ドライブが速過ぎて当たったけど面が狂った
 などが考えられます。
 
 ほとんどが、要は想像を超えてて適切に調整されたスイングが間に合わないことが原因なので、素早く準備して、あんまり一生懸命振らないことが良いのだろうと考えられます。
 
 回転自体は、ゆっくり飛んでくるボールより省エネでも勝手にかかるので。
 
 
 「球威のある球」の類義語として「重い球」がありますが、これはスマッシュでめちゃくちゃナックルの時にも使われたりしてもう訳が分かりません。
 
 
 と、事象を正確に捉えられたとしても、僕が3球目でそもそも触れることなくブチ抜かれる現実はすぐには変わりませんけど…😇
 
 

【「身体で打つ」「下半身で打つ」はガチ】

 

 まずは↑を見てください。

 

 ちなみにこれまで度々引用しているのは、JTTA指導者養成委員会というサイトにある、

 コラムの医科学のところに掲載されている論文ですとか解説文です。

 

 見つけたのではなく教えてもらって存在を認識したのですが、めっちゃ面白いです。笑 興味深いという意味で。

 

 で、ここのコラムによると、(めちゃくちゃ乱暴に表現しますが)上級者がドライブでスイングスピードを得るために用いる筋肉のうち、寄与度が高いのは利き腕ではなく、圧倒的に下半身であり、その次に体幹まわりだということ…

 

 肩から先の利き腕部分の寄与度は、たった12%…。

 

 え、12%ってマジ…😇?

 

 ただし利き腕が役立たずかというとそうではなく、スイングスピードを得るための筋力的な寄与度としては低いが、関節を使って下半身や体幹で発生した力をスムーズに伝達する役割部分での貢献が大きい、とのことで。

 

 

 そもそもよく考えると、2.7gの物体をラケットで捉えるのに、人を骨折させる気概で殴る時のような力は、確かに不必要です🤔

 

 それより(猶予がある限り)全身を使って、とにかくラケット速度を高めることに執心する方が良い(゚ロ゚*)

 

 

 と言ってもこれをいざ試合でやるとなると身体のクセが邪魔してすぐにはできないんですけど😇

 

 

 よく「下回転は重いから力が要る」みたいな表現がありますが、実際には重たいものを持ち上げるような類の力が必要なのではなくて(だって2.7gだから)、回転の影響で下に落ちるしボールもゆっくり飛んでくることが多いから、スイングスピードが必要なだけ。

 

 ボールが重たくてそれを持ち上げる筋力がいるのではなく、さらに早いスイングスピードを得るために全身の筋肉を使う必要が生じるだけ。

 

 全ては可能な限りスイングスピードを高めるためにどうすれば良いのか

 (かつ、何が何でも全身を使おうとすると不安定になるのでどう折り合いをつけるか)

 

 その辺が大事なんやな…と思った次第です。

 

 

【蛇足】

 他にも事実とは異なる感覚フレーズの話や、もうちょいエグイ話もあったのですが、競技的な性質の話から若干ズレるので割愛。

 

 しかしこれで思ったこと、再認識したことは、

 

 身体感覚で表現できることと、何が起こっているかを正確に認識すること、さらにそれを言語化できること…とは全く別ベクトルの話なんやな、ということですね🤔

 

 結果正しければ、いくら理屈と違ってようが、必要ないですからね。

 

 

 身近に体育館に言語化能力を置き忘れてきたような卓球の権化がいますが、僕の卓球への理解が少し追いついたのか、ヤツが社会に揉まれて言語化能力を獲得したのか、最近ようやく僕に分かるレベルで卓球のことを話してくれるようになりました。笑

 

 ヤツは言語化能力だけが異常に乏しかっただけで、どうやら何が起きているかの事象認識はめちゃくちゃ高精度っぽく、そこでも僕とのレベル差を感じました😇

 

 

 

 まぁそれは置いといて、ジュニアを指導する時など、今回の記事のような話なんてほぼ必要ないと思います。

 (もちろん部分的に必要なところはあると思いますが)

 さすがにちっちゃい子には分からん。笑

 

 今の理解をもって僕にゴールデンエイジが再来しないかと妄想しますが、叶うはずも無いので、大人しく細々と練習しようと思います😇😇😇